内容説明
歌を通してつづるロシア周辺国の激動とそこに生きるひとりひとりの物語。
目次
第1章 「百万本のバラ」の運命
第2章 ハルビンというルーツ
第3章 敗戦の青空
第4章 スンガリー物語
第5章 無頼の青春
第6章 音楽に故郷を求めて
第7章 聖地を歩く
第8章 果てなき大地の上に
著者等紹介
加藤登紀子[カトウトキコ]
1943年、中国東北部ハルビン市に生まれる。65年、第2回日本アマチュアシャンソンコンクールで優勝し、歌手デビュー。翌年に「赤い風船」で日本レコード大賞新人賞、69年に「ひとり寝の子守唄」で、71年に「知床旅情」で日本レコード大賞歌唱賞受賞。「愛のくらし」「百万本のバラ」「時には昔の話を」「難破船」などヒット曲多数。88年、90年にカーネギーホールで公演するなど海外での活動も多く、現在も国内外で活発にコンサート活動を続けている。83年に映画『居酒屋兆治』に女優として出演。92年には宮崎駿監督作品『紅の豚』で声優としてマダム・ジーナを演じた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てつろう
7
加藤さんは満州育ちで大変な人生を歩んできた人だった。この百万本のバラもロシアで流行ったようたか、ロシアと言っている国はどこまでか、この当時はウクライナもロシア。ロシアは共和国なのに独裁者の国になっている、早く平和になって欲しい。2023/05/06
るるぴん
3
登紀子さんが歌う「百万本のバラ」の生まれ故郷との縁、母親から伝え聞いたハルピンでの暮らし、現地の人々との交流などが印象的。第二次世界大戦時、国同士が戦争をしていても、市政に暮らす人たちはお互いに交流し、友情を育み小さな幸せを守りながら生きていた。当時交流していた人たちは「ソ連の人」でウクライナの人もいればロシア、コサック出身の人もいた。その地域が今争っていることに登紀子さんは胸を痛めている。今でも周辺諸国で歌手活動をしている。歌、歌を愛する気持ちに国境はないのだ。2023/11/05
Hiroki
2
淡々とした記述で、とっても重たいことを語っている。 あまりにサクサク読み進むので読後感が不安になり二回読んだ。 ひとつエピソードを読み終えるごとに、関連する音楽を聴き直したり、持って無いものはYouTubeで聴いたり・・・。 お登紀さんの生き方の根っこの部分にも少しだけ触れられた感じがする。 歴史には悲しみが横たわっている・・・。 ウクライナ侵攻が著述のきっかけとのこと。 侵略する国、侵略される国、どちらであっても “普通の市民” には優しさがある。 そう結ばれていると思った2023/05/26
Enju35
2
第5章まで読んだがよかった。続きをまた読む。2023/03/29
Masaki Maruyama
0
京都・祇園のレストラン「キエフ」で往年のパソコン通信フォーラムのオフ会が何度かあり、ここは加藤登紀子さんのお父さんのお店だと聞いた。「お登紀さんは京都の出だったのか」と思ったのは大誤解。6月16日付読売新聞朝刊で始まった「時代の証言者」にある通り、ハルビン生まれとのこと。30回ほどの連載では、本書に記された波瀾万丈が語られるでしょう。5月21日に千葉県君津市で開いたコンサートの前、共同インタビューで様々な思いを伺い、自費で公演を聴きに行った。諸事情で結局、仕事になってしまい、楽しみが半減したのが残念。2023/05/16