出版社内容情報
菓銘や菓詩とともに季節の和菓子を愛でるコンセプト。季節のうつろいを投影した和菓子のビジュアルをメインに展開。
内容説明
木の芽時、花便り、玉響、夏木立、待宵、初音、銀嶺、灯火…厳選レシピも収録。うつろう季節を慈しみたくなる和菓子の歳時記。
目次
春(ほころび;東風 ほか)
夏(翠雨;雨模様 ほか)
秋(黄昏時;残り香 ほか)
冬(風花;閑花 ほか)
味わう(ういろう;琥珀糖 ほか)
装う
想う(出会い;余白 ほか)
創る(海×和菓子;コーヒー×和菓子 ほか)
著者等紹介
藤原夕貴[フジワラユキ]
和菓子デザイナー、グラフィックデザイナー。出版社勤務を経て、ロンドンの美術大学へ留学。帰国後、グラフィックデザイナーとして広告・ブランディング業界で働く一方、茶道を教える祖母の影響で「和菓子」に着目し、デザイナーの視点から和菓子を制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シフォン
35
読友さんのレビューで出会うことができた本。四季の景色やうつろいゆく時の流れの言葉を和菓子で表現していてとても素敵。日本語って、同じ意味なのに季節によって言い方が違ってめんどくさいと思うときがあるのですが、こんな風に表現されているとなんて豊かな言葉なんだろうと感じます。「玉響」「たゆたう」「泡沫」「うつろい」という不安定な言葉、「夜の帳」「錦秋」「水鏡」という秋の言葉が印象に残っていて、季節これから夏なのになぜなんだろう(笑)。もちろん、和菓子が食べたくなります。 なる。2022/05/23
だいだい(橙)
28
作者は脱サラした和菓子デザイナー。この本は言葉と和菓子写真の組み合わせというコンセプトだが、言葉は気にせず美しい和菓子の写真にうっとりと見とれていればいい。掲載された和菓子のデザインは四季を切り取った色とりどりのもので、ほとんど芸術。食べるのがもったいない。巻末には作り方も載っているので、腕に自信のある人は自分で作ってみるのもよい。ういろうを自分で作れるとは知らなかった。ぜひやってみたい。2023/09/23
さら
27
和菓子好きとしては眺めているだけで至福な本。 花筏(はないかだ)、玉響(たまゆら)、薄氷(うすらい)等美しい日本語の名前も素晴らしいと思います。2022/12/06
しーふぉ
23
写真集として和菓子を楽しみました。味だけでなくて目で楽しませる意気込みが伝わって来る。2024/07/28
らん
23
うつろいゆく季節や情景を映し出す和菓子と美しい日本語が織りなす世界。夏が終わり、少し寂しく感じていた私にまさにぴったりの言葉【夏の果(なつのはて)】過ぎ去っていく夏を惜しむ言葉。夏の終わり。【待宵(まつよい)】来るはずの人を待っている夜。…なんて素敵な言葉!まるで宝石のように美しい和菓子にもうっとり。はるか彼方から聞こえてくる寄せては返す波の音【潮鳴り】を表現した貝殻の和菓子が可愛い♡「余白」や「引き算の美学」は京都に訪れた際にも感じます。「控えめながら洗練された表現」と著者の考え方に学ぶ事がありました。2023/10/14