出版社内容情報
国際的に批判される日本特有の人質司法、検事長の定年延長問題を端緒とした検察庁法改定案など、問題山積みの「司法の闇」を語る。
内容説明
「黒川問題」であぶり出された官邸・メディアとの癒着、ゴーン逃亡から見る「人質司法」、「作られる」自白、進まぬ取調べの可視化…巨大権力機関はどこに向かっているのか。日本に巣くう司法問題の暗部を問う。
目次
第1章 ゴーン逃亡が日本人に問うもの
第2章 こうして私は冤罪をでっちあげた
第3章 やはり和歌山カレー事件は冤罪だったのか
第4章 これでは取調べの可視化が進むわけがない
第5章 焼け太りの盗聴法改正に待った!
第6章 日本が人質司法をやめられない理由
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいだい(橙)
15
「疑わしきは罰せず」が司法の原則なのに「疑わしきは罰する」になっている日本の司法に対して、カレー事件や痴漢冤罪を含む実例を取り上げて、関係者を呼んで対談する、という形式はいいと思った。しかし、宮台さんの好き嫌いが出すぎていて、食傷気味になるところも。この「アベガー」色が好き、という読者もいるだろうが「疑わしきは罰せず」の原則を適用するなら「犯罪者安倍」と言っちゃだめだと思うけど。この矛盾っぷりが宮台氏が一流になれない理由なのかも・・・テーマはいいのに。2022/08/19
ochatomo
10
YOUTUBEのvideonewscom「和歌山カレー事件に見る、科学鑑定への誤解が冤罪を生む構図」でジャーナリスト神保哲生氏を知って手に取った まえがきの黒川問題で、安部首相よりも検察の強い要請で任期延長が望まれたことを知った 黒川氏は村木厚子さん事件で証拠改竄したことからの検察改革の流れを止める役割を果たしたそう ゴーン氏も逃げてよかったと思うようになる本 加速主義というのだそう 2020刊2024/10/01
よおこ
7
検察が酷いのは知ってたけど、ここまでやばいのはびっくり。無罪である人間が、拷問まがいの長い勾留の末、きっと偉い裁判官だったら正当に裁いて無罪判決を出してくれるだろうと甘い信頼を寄せて、つい間違った自白をしてしまったら大変なことになる。 でも宮台さんの、進学校に上がって東大入るような同級生に組織に反して正義を貫徹するような人間がいたかという問いかけに、なんか納得。たしかに模試の偏差値ばかり気にして、誰々に勝った負けたみたいな会話しかしてなかったな…。2021/12/05
おやぶたんぐ
5
時事ネタをたたき台として、司法の問題に関するトークが展開される。構成上、内容が整理されておらず、本書で各問題の内容を一通り把握するというのは厳しいか。とりあえず、興味がある部分だけ読んでみるというのも手。2021/02/16
キミ兄
5
宮台真司の物言いにはちょっとうんざりするが、推定無罪の由来、抵抗権など勉強になる本だった。自分がもし犯罪に巻き込まれたらと思うとゾッとする。「それでも僕はやってない」の解説も面白い。☆☆☆☆☆。2020/12/19
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