内容説明
もっと気楽に、自分を愛したいあなたへ。200冊限定のブックファンドから、40万部を超えるベストセラーに。不安定な心をありのまま描き韓国で話題となったエッセイ、待望の日本語訳。
目次
なんだか、ちょっと憂鬱で
私って、ひょっとしたら虚言症かも?
私が私を監視する
特別になりたい気持ちはそれほど特別ではなくて
自尊感情という奴
私が私を知るためには、どうすればいいのでしょう?
決めつけて、断定して、失望して、離れる
ついに、薬物の副作用
度が過ぎた容姿コンプレックスと演技性人格障害
どうして私が好きなの?これでも?これでも?
私は可愛く見えないのです
心の底で
著者等紹介
ペクセヒ[ペクセヒ]
1990年、韓国・ソウル生まれの女性。文芸創作学科を卒業した後、出版社で5年間勤務した。10年以上、気分変調症(軽度のうつ病)と不安障害を持ち精神科を転々とし、2017年に通いだした病院で薬物治療と相談治療を並行している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
lily
116
死にたいけどトッポッキは食べたい。だから今日も生きてみる。それで十分。感受性が高くてとても優しい人だから、自分が期待する優しさまではレベルが高すぎて中々触れ合うことができなくてショックが大きいのかも。人一倍言葉に敏感でもあるから、練りに練りまくった結果、全部自分のせいにして二進数判定で自己肯定感が低くなる。何も考えないくらいの意識でやっと少し脳が休めそう。薬を飲まなくて良くなることはあっても、薬を飲まなくて悪くなることはないから。薬で自殺願望を高めないで。トッポッキを食べて。眠れない日は絶好の読書日和だよ2020/03/27
mukimi
103
気分障害の20代女性が心の揺らぎと精神科医との対話を赤裸々に綴った韓国のベストセラー。暗いが生々しさはなく、美しく繊細な本。先生の機転と言葉が素晴らしい。この手の本(ほぼ素人の鬱エッセイみたいなもの)が日本でベストセラーになることはあまり聞かない。韓国の方が感情表現が率直な国民性なのだろうか。女性がここまで内面暴露することに日本社会は受け皿がないのかも。日本ならメンヘラ女子の雑念と自虐しないといけないような気がする。饒舌でなく朴訥とした翻訳本であることも読みやすさと綺麗な仕上がりに一役買っている。2022/07/08
アキ
84
著者と主治医のあいだで交わされた気分変調性障害の治療記録。診察室での会話を録音し、テープをそのままおこしたもの。精神障害の気分変調性障害やヒステリー性性格障害など名前は知ってても、具体的な症状は知らんかったのでこんな感じなのかと理解した。むしろ精神科医の言うことが腑に落ちる。「極と極はむしろ通じる」一人でいたいのに寂しい、自尊心が強いのに自己肯定感が低いことをヤマアラシのジレンマと呼ぶ。結局著者は答えも出ず、結論もない。みんなそれぞれ不完全な人間なのです。死にたいときでもトッポッキは食べたいものなのです。2020/03/12
ゆきち
75
10年以上、気分変調症と不安障害で苦しんでいるソウル生まれの女性の著者。本書は薬物療法と相談治療を行った医師との対話を記録して書き出したものである。自分の言葉に自信が持てず、カウンセリングの内容を録音するだけでなく、会社やサークルなどでも自分の発言を録音し、家に帰ってから振り返るということや他のエピソードからみても、著者はとても極端に捉えてしまう性格のようだ。わたし自身もグレーゾーンを作るのが苦手で、白か黒かの極端な答えを出しがちだが、グレーゾーンがないというのは生きにくいことだと感じた。読んで良かった。2022/09/14
ルピナスさん
64
頭の中に色々な思考が渦巻き、回復の兆しを見せたと思えばドーンと沈みつつも「いい子なんですよ。いい子なんだから、仕方がないんです」等とドクターに言われたら涙が溢れ出るだろう。主人公は他人を軸に生きているため、強迫観念や理想のものさしで、物事を直線的にしか測れない。強い承認欲求故に、自分が主役でないと満たされない。若さ故か・・痛々しい。「今は人間関係が狭くて三角形のようで心に刺さることが多くとも、多様で深い関係が増えれば、円のように丸く、角がとれて刺さることが少なくなるでしょう」とても素敵な考え方だと思う。2023/11/12