内容説明
本書では、第1部で、大阪の惨状をルポ。大阪の惨状の象徴として大阪市ばかりか、「誰が住むのか箕面森町」なども取り上げた。橋下府政にも言及し、「早期健全化団体」に転落した泉佐野市を例に取って、大阪の未来について考えた。第2部では、前著『大阪破産』で取り上げた大阪市の職員厚遇問題、第3セクター問題などが、その後どうなったかを検証した。
目次
第1部 貧困化する人々(放置自転車数ワースト1;凶悪事件の増加;生活保護と人口問題;街に溢れる失業者;敬老バス問題;債権回収;コスト・カッター;誰が住むのか箕面森町;府下3市に迫る危機;関空というお荷物;誰が泉佐野市を潰したのか)
第2部 改革は進んだのか?(2015年「大阪破産」;自治体破産と健全化法;バスと病院の大赤字;WTCという重荷;フェスティバルゲート;湾岸開発の現状;職員厚遇問題;互助組合へのメス;裏金作り)
著者等紹介
吉富有治[ヨシトミユウジ]
1957年愛媛県生まれ。金融専門誌、地方新聞の記者を経て、現在はフリー・ジャーナリスト。大阪在住の経済記者として、週刊誌や月刊誌などで活躍。信用金庫や信用組合など小規模金融機関の取材を得意とし、金融犯罪など経済がらみの事件なども手がけてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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tsuyoshi1_48
2
大阪府、大阪市の抱える主要な経済問題は概ねすべて本書で述べられています。「商人の町」と呼ぶにはあまりにお粗末な、大阪市の各種商業プロジェクトの惨めな顛末の数々。。。右肩上がりを想定し、公金を杜撰に費消し、そのツケを将来に先送りしてきた大阪の窮境は、日本経済の未来にも有益な示唆を提供するものです。2011/04/18
komonojin
2
BOOK OFFにて購入。大阪の現状の問題を整理するには、さらっと読めて良い本だったと思います。もう少し突っ込んで公会計改革や地方団体財政健全化の制度について学ぶ必要はありますが。役人が、役人というシステムの中で、ビジネスに手を出した結果が関空であり、泉佐野であり、WTCなのである。こうした現状が招く閉塞感が冒頭に記されているような大阪人のモラル崩壊を招くという悪循環に陥っているだろう。古い「公共」は、大阪が経験してきたような理念先行型の戦略のない地域デザインになってしまう。ビジネスセンスと明確なVisi2010/05/02
つなでひめ
0
関空はどうしたらいいのでしょうか。見通しのあまい建設が後に与える影響の大きさを感じました。2009/11/09
Great Eagle
0
国交省と地方自治体の癒着した構造を垣間見たような。関西国際空港をベースに夢を描いた地方も泥まみれで再生するには時間が掛かりそうです。2009/10/01
22octobre
0
印象的な個所は3つ。①「出血を止めただけではダメ、根本治療をしなくては」、これって自治体だけでなく普通の会社にも当てはまる。②「原理原則よりも、損得勘定で動くのが大阪人」、これ、大阪人が聞いたら怒るよなあ。でも少し解る気がする。③「橋下知事の交渉術は、自己の主張を呑ませるために、前フリとしてワザと極端な発言を繰り返すこと」、実践できるかは別として、参考になる。…自治体のすべてが大阪市のようではないと思うけど、少なからず似た部分があるとするならば、日本に住む者として心穏やかにはいられない。2011/10/30
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