内容説明
パリ=リヨン間を二時間弱で驀進する高速鉄道TGV。終着駅までの乗客は、サングラスの老人と二人の警察官、そして死者。永年勤続休暇を利用してパリを訪れた愛媛県警察部の外田保丞警部。知遇を得ているフランス国家警察のポンメルシー警視正とともにTGVでリヨンに向かうが、同じ車内で日本人外交官の射殺死体が発見され、なぜか捜査に巻き込まれることに。しかし、外田が追い詰めるべき犯人は、鉄壁のアリバイと日仏両国の法律に、幾重にも守られていた―。解らんかったら喋らせろ。証拠が無いなら作らせろ。「犯人をして自ら語らしめる」ために仕掛けられた、外田の逆トリックが冴え渡る!
著者等紹介
古野まほろ[フルノマホロ]
東大法卒。リヨン第3大法「Droit et Politique de la S´ecurit´e」専攻修士課程修了、仏内務省から免状「Dipl^ome de Commissaire」授与。なお学位授与機構より学士(文学)。警察庁1種警察官として交番、警察署、警察本部、海外、警察庁等で勤務の後、警察大学校主任教授にて退官。宇山日出臣氏(故人)が発掘した最後の新人として、第35回メフィスト賞を受賞した『天帝のはしたなき果実』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
62
自らの社会的立場を考慮した上で完璧な計画を練り、実行する狡猾な犯人に対してとある刑事が待ったをかける。「あにょ~、ちょっとすんません」。四国の狸、または日本警察の猟犬、コロンボで十津川な外田警部が帰ってきました!フランス版新幹線でもあるTGVで起きた集客駅までの密室殺人。盲人だからこそのアリバイ崩しが見事。そして「十億人の弱者を助けるため」という大義で一人の人間の命を奪った根底にあった傲慢さを自覚していなかった犯人に対し、太田医師の奥様が仰った言葉と丸寿司に込められた本当の意味に泣きそうになりました。2015/06/08
雪紫
60
再読。(海外なのに)時刻表通りに発車なまほろ版「すべて閣下の仕業」。と言うか表紙大分スリムになってない(後前作犯人どうなった?)?舞台は日本と法律や運行事情が違うのもあって相変わらずなまほろの執拗な説明が倍増しだけど、短編集再読したばっかりなのもあってますますねちっこく見えて来る。でも真相知ってると序盤や説明から伏線大量なんだよなぁ・・・。執拗にして重厚。また卯の花寿司作りたくなって来た。2023/04/08
ひめありす@灯れ松明の火
53
まほろん発衒学的探偵小説帝都経由フランス行き、お乗り忘れの方はいらっしゃいませんかー?当駅もなく発車致します。オリエント急行にエリキュール・ポアロがいるように、『あじあ』に古野まほろがいるように、国内鉄道に十津川警部がいるように、TGVには外田警部がいる!"zonamoshi" entrent-ils dans la France ? 実予弁は世界を駆けるよどこまでも。猟犬よりも快足に、シミ抜きよりもきれいさっぱりと、証拠よりも強かに、紙巻き煙草よりも煙に巻いて、最終目的地は『真実』と『犯人』になります。2015/02/12
カロリーナ
32
☆3 ぞなぞな外田警部シリーズ第2弾。永年勤続休暇を利用してパリを訪れた愛媛県警察部の外田ヤシュシュケ警部。知遇を得ているフランス国家警察のポンメルシー警視正とともにTGVでリヨンに向かうが、同じ車内で日本人外交官の射殺死体が発見され、なぜか捜査に巻き込まれる。長編倒叙ミステリー。今回の舞台はパリのため、砂糖蟻夫を追う設定はなし。↴2015/05/10
み
31
2016年の1作目に手にしてしまった^^;くどいトコはあったけど、話しの筋は面白かったです。あたし、フランスで電車に乗れそうにありません、ムリだぁ>_<2016/01/01