内容説明
大島不動産販売前社長の遺児で、難病に苦しむ大島雅弘の世話係を務めていた若宮恵美子は、派閥争いのあおりを受け、新設部署への異動を命じられた。雅弘をトップに、3名だけでクレーム対応をする部署らしい。現社長の高丸は、反高丸派の旗頭である雅弘に無理難題を押しつけ、責任を取らせて追い出したいのだ―。次から次へと問題物件を押しつけられ途方に暮れる恵美子の前に、「探偵」を名乗る奇妙な男が現れて…。前代未聞の名探偵(?)犬頭光太郎登場!!居座り、自殺、ゴミ屋敷、ポルターガイストに失踪まで。お部屋に関する問題を、人間離れした能力で華麗に無理矢理解決!破天荒極まりないミステリー!
著者等紹介
大倉崇裕[オオクラタカヒロ]
1968年京都府生まれ。学習院大学法学部卒業。’97年「三人目の幽霊」が第4回創元推理短編賞佳作となる。’98年「ツール&ストール」で第20回小説推理新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaC
125
何だろうこれ。シリアス系じゃなくてギャグ系ってこと?あんまり深く考えずにさらさらと読み流せばよいということでしょうか。事実そんな風に読むことは可能です。そんな風にしか読めないとも言う。~初出:「ジャーロ」 居座られた部屋(2011年秋冬号) / 借りると必ず死ぬ部屋(2012年春号) / ゴミだらけの部屋(2012年夏号) / 騒がしい部屋(2012年秋冬号) / 誰もいない部屋(2013年春号)~2015/05/20
だんじろー
122
新作が出るとのことで、まずは前作をば。ワンパターンになりがちな展開を、あの手この手で脚色する技は、さすがの切れ味かと。序盤は犬頭の強さがあまりにも規格外なのが気になったが、ここまで徹底されるとそんなことどうでも良くなってくるから不思議。すぐにでもドラマ化されそうな楽しいエンタメ。犬頭の配役は難しいぞ~。犬顔のアイドルって、誰かいたっけ?2016/05/08
モルク
109
前社長の遺児である難病の雅弘を追い出すため新設されたクレーム対応の部署に移動を命じられた恵美子。無理難題を押し付けられ次々と問題物件に対応するが、そこに「犬頭」なる探偵が現れ…その怪力と洞察力、鼻が利き「キェー」の一言で破壊する。そしてセキュリティをも破る霊力の持ち主犬頭。雅弘が大事にしてきたぬいぐるみの「犬太」の分身であろう犬頭の活躍で問題解決、犬太いや犬頭の雅弘を守ろうとする忠犬ぶりがいい。破天荒で現実味はないが、非常にスカッとする作品。2018/05/01
初美マリン
92
破天荒な童話かな?続編を読まないと落ち着かない2019/03/18
papako
71
不動産会社に勤める恵美子さん、病弱な役員を守るために、物件の問題を解決する。いつも助けてくれる『犬頭』さん。彼の正体は?定型にはめたユーモラスな文章と、犬頭さんのキャラが楽しい。事故死した社長の病弱な息子の置かれた立場は無理くりです。そこだけひっかかっちゃいました。表紙を見て、本当に頭が犬の人が出てくるのかと思いました。脳内では犬頭(いぬあたま)で動いていました!続編いきます。2016/06/24
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