内容説明
京都府警の本部至近ばかりで発生する、連続眼球強奪殺人。犯人はいつしか「眼喰鬼」と呼ばれ始めるが、手がかりもつかめない。若きキャリア警察官・二条実房は、被疑者必検の命を受けて、捜査本部のある平安署に署長として赴任する。警察内部の暗闘と、捜査陣を挑発するように繰り返される犯行の渦中、二条は京都の闇に潜む真犯人を検挙することができるのか！？
著者等紹介
古野まほろ［フルノマホロ］
東京大学法学部卒。リヨン第三大学法学部第三段階「Ｄｒｏｉｔ ｅｔ Ｐｏｌｉｔｉｑｕｅ ｄｅ ｌａ Ｓ´ｅｃｕｒｉｔ´ｅ」専攻修士課程修了。フランス内務省より免状「Ｄｉｐｌ＾ｏｍｅ ｄｅ Ｃｏｍｍｉｓｓａｉｒｅ」授与。２００７年、故・宇山日出臣氏が発掘した最後の新人として、有栖川有栖氏の絶賛を受けた『天帝のはしたなき果実』でデビュー。以後、重量級の長編本格探偵小説を次々と発表（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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ひめありす＠灯れ松明の火
51
世の探偵小説愛好家達よ！探偵士見習達よ！そして京都府警平安署の諸君よ！このままおめおめと生き恥を晒して良いのか！この帝陛下より託されし京の街を眼喰鬼の恣に跋扈する土地にしてしまって良いのか！padam,padam。哀しげに、噎ぶように、嘲笑うように。鳴り響くのは鐘の値から心臓の音へ、そして運命の音へと受け継がれた。我らの逸る心臓だけでない、敵の心臓もまた京の闇に潜みながら、高鳴っているのだ。padam,pada,padam。捕らえて見せようぞ眼喰鬼。敵にとって不足なし。二条実房京都府警平安署所長推して参る2014/11/01
藤月はな（灯れ松明の火）
45
警察特有の階級や役割がぶわあっと提示される前半を乗り切れば「裏コード、ザ・ビースト」や「あえて云おう、カスであるとッ！」など「時代がちゃいまんがな」と思わず、突っ込みたくなるアニメ好きにはニヤリと笑えるまほろ節が登場しますのでご安心を（笑）動機が某刑事ドラマを連想させますが起きなかった悲劇だと思うと遣る瀬無いです。でも被害者の名前と他のミステリーのネタ晴らしには冷や汗をかくしかありません。特に前者は確かに本格ミステリ好きにとって邪道を書く場合もあったかもしれないけどそこまで糾弾して良いのか・・(-_-;)2013/09/12
マムみかん(＊感想記入少なめです＊)
32
『命に三つの鐘が鳴る』に続く本格推理であり、警察小説。 若きキャリア警察官・二条実房警視は、京都府民を恐怖のどん底に叩き墜としている連続殺人鬼「眼喰鬼（アイ・イーター）」検挙のため平安警察署長を命ぜられる。 京都の深い闇。 ヒトがヒトを殺す理由。 本当の鬼は誰なのか…。 起承転結の４幕構成で軽いノリの会話もあるのですが、全体を通せば重厚で哀切な読後感の警察小説でした。 ４幕目に論理で畳み掛けるように「眼喰鬼」の正体と動機が明かされていくのは、読みごたえがあり快感ですね☆2013/07/29
朝比奈さん
25
二条さんの若かりし日のお話。訓示にしびれるね。そしてお約束の、まず二条さんが事件の舞台・京都に行くまで100ページかかると(笑)パダムパダム、ドキンドキン。天帝御矢で柏木くんに渡ったあのデュポンのライターは此処からなのね。巻頭かどこかに京都の地図欲しかったなあ、作中だけでなく。文庫化の際にご検討ください。あと、相変わらず登場人物の名前…特に被害者の・・・。2013/06/27
むつぞー
19
京都で起きている連続眼球強奪殺人。この犯人については冒頭で判ってしまいます。 しかもほとんどが警察組織について（この世界の）語られています。 これが緻密で長い…ある意味濃厚な警察小説とも言えるので、こんなモノまで書くのか～という、感じがありました。 さてＷｈｏは早々に指定できて、警察の事が延々と続くので本格ミステリとしてはどうなの？という感じがしてたのですが、謎解きにとその答え…このあたりの物語はとても面白かったし、ぐっと来るものがあり、印象が一気に変わりました。 動機はとても切ない…。 2013/07/29
