内容説明
高知・海晃学院高校は野球の名門校として知られ、三年生のピッチャー・高橋武蔵はマスコミからも注目されていた。だが、武蔵は肘を痛めているなかでの甲子園出場だった。そのころ、過去に起きた野球部内の不祥事が明るみに出そうになる。武蔵は告発文書の送り主を捜そうと、苛めの被害者である二年生の部員・鈴川大樹の母親に会いに上京する。一方、東京・八丈島付近では、スーツケースに押し込められていた身元不明の死体が発見される。そこには新たな謎が…。注目の新鋭作家が挑んだスポーツ&社会派サスペンス。
著者等紹介
蓮見恭子[ハスミキョウコ]
1965年大阪府生まれ。大阪芸術大学美術学科卒。2010年「女騎手」で、第30回横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞し、同作品でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
110
う~ん、こちらもちょっと思ってたのと違う作風でした。もう少し野球描写があるのかと思ってましたが、思いの外そちらの描写は少なく、ミステリーとスポーツの融合はバランスが微妙でした。高校野球チームのドタバタと、スーツケースから発見された謎の女性遺体からの話です。それでもやはり高校野球が下地にあるだけに、野球描写はハラハラし、ウルっとさせてはくれますが、ミステリー側の描写がなんとなく安定してなかったかもしれません。読みやすく、作風としても悪くない作家さんとは思えますが、引き続きもう何作品かおってみたいと思います。2022/07/01
ゆみねこ
54
お初の作家さん。甲子園を目指す野球名門校のエースのお話。肘に故障を抱えた高橋武蔵は、後輩ピッチャー鈴川大樹へのイジメ問題も抱えながら、夏の県大会を制し甲子園に臨む。遠く離れた八丈島で身元不明のトランク詰めの女性の遺体が発見され大樹の母との関わりが発覚して。これは、二人のエースの成長ものとしても、ミステリーとしても楽しめて、思わぬ拾いものといった感じです。他の作品もちょっと読んでみたくなりました。2014/07/07
nyanco
35
「女騎手」で、2010年に横溝正史ミステリ大賞優秀賞を受賞された蓮見さん、2作競馬モノが続きましたが、今回は高校野球が舞台。競馬モノは、新人騎手の成長譚として非常に面白く、いっそミステリー部分がなくてもいいんじゃないか、とすら感じていました。今回は青春ど真ん中の高校野球なので、とても楽しみにしていました。くじらくんこと武蔵、武蔵に憧れる大樹、バッテリーの相棒・木下・・・と高校球児たちのキャラも、彼らの甲子園への熱意も非常に読み応えがある。続→2012/08/20
よむよむ
31
TVの書籍番組でオススメ本だったので読んでみました。野球が好きな方には面白いかと~ 土佐弁になじみがないのでちょっと読みづらかったかな2012/10/07
ちろたろう
27
初読み作家さん。高校野球とミステリーを絡ませ盛り沢山とも言えるし、焦点が色々とあるけれども、気になる展開ではあった。2018/11/13