海路

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  • サイズ B6判/ページ数 137p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334927639
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

独りで過ごす寂しさを感じながらも、診療所で懸命に働く43歳の看護師。ある日突然、老医師が閉院すると言い出した。そして、その日を前に失踪した。唯一の居場所を失った彼女は、先生を捜す旅に出る…。

著者等紹介

藤岡陽子[フジオカヨウコ]
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」が宮本輝氏が選考する「北日本文学賞」の選奨を受ける。2009年『いつまでも白い羽根』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

157
僅か137頁でしたが、頁数以上に深い、素晴らしい作品でした。どうしてこんなにも深く、人間味あふれる作品をこのボリュームで書き上げるコトができるのか、本当に不思議ですし、驚愕に値します。突如、小さな診療所を閉院するコトを決意し、ある日突然失踪してしまう老医師、そんな老医師のもとで16年勤めた43歳の看護師、そんな二人がお互いにこれまでの人生のあらゆる出来事に向き合い、振り返りながら残りの余生、半生を見つめます。老医師の、その達観した考えや思いは胸に重く、そして優しく響きわたります。生き方、見つめなおさねば。2015/07/19

ダイ@2019.11.2~一時休止

103
テーマが「死様」で老医師と看護婦の物語。死と余生について考えさせられる。「明日は思うほど悪い日じゃない」2018/07/28

ゆみねこ

91
小さな診療所を閉めることを決めた老医師と、43歳の看護師。月島先生の下した決断はちょっと切なかったけれど、美しい海路が目に浮かびました。小編ですが、じんわり余韻が残ります。2016/09/16

ぶんこ

73
誰にも必要とされずに生きていく恐さを感じました。大勢の家族や友人に囲まれている人には、こういった恐怖は無いのでしょうか。小さな世界でしか生きていない自分を考えさせられます。住宅街の町医者という環境では、生死を見続けるでしょうから、より切実に思うのかもしれません。70過ぎで、身近に親しい人のいない月島先生。40代独身で、やはり親しい人のいない志木看護師。二人の孤独がヒシヒシと伝わってきて、恐ろしくさへなりました。自らの老後を想像して、今からでも世界を広げ、人との関わりを大事にしないとと痛感しました。2015/08/09

美登利

69
70代の医師と40代の看護士、それと事務の20代の女性。小さな診療所をある日突然閉院するという医師。それぞれの年代の抱える事情と心の動きが描かれています。私は看護士の友人が何人か居るので、いつもこのように病院が舞台だったりすると、彼女たちの心情がどうなんだろう?と気になってしまいます。労働時間やその待遇についての不満を聞いたことも有りますし、自身が常に病院と関わらずには過ごせないので特に。人生の最後、ジタバタしたくない気持ちは年を重ねる毎に深く強くなっていく。短いお話ですが、色々思う事がありました。2015/06/27

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