内容説明
愛犬の予期せぬ死ゆえ、ペットロスに打ちひしがれた夫婦。互いの心がすれ違い、ふたりの亀裂はしだいに大きくなっていった。そんなある晩、男は月明かりの中で仔犬の鳴く声を聞いた…(グッドバイ)、他四編。犬との出会いや絆をリリカルに描いた、希望と再生のストーリー。
著者等紹介
樋口明雄[ヒグチアキオ]
1960年山口県生まれ。2008年刊行『約束の地』で日本冒険小説協会大賞、大藪春彦賞を受賞。現在、家族と共に南アルプスの麓に住む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
人間関係や災害などで精神的にダメージを受けたような人々が犬との関係で立ち直りつつある話や希望を持てるような話が5つ収められています。私も犬好きで子供のころから飼っているので読んでいて心に染み入るものがありました。電車の中では涙が出てくるような本があって読めません。2019/05/06
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
81
【図書館本】タイトルの通り「犬」をテーマとした短編集。ファンタジックなお話もあり、ガツンとくるお話もあり。冒頭の「グッドバイ」は犬版の「鉄道員」とも言える内容。ペットロスにさいなまれる飼い主の元に訪れたそっくりの仔犬。飼い主としては奇跡を信じたくなるだろう。最後の「向かい風」は災害救助犬とそのハンドラーのお話。あの山岳救助犬シリーズに続くお話。どれもいいお話でした。★★★+2018/10/16
ちゃんみー
56
人と関わって生きていこうと決めた動物、それは犬。犬が主人公ってわけでもないけど犬と人との5編の短編集でした。Ririkaさんの感想見て読んでみました。最初の『グッドバイ』は犬を飼ったことのある人にはよく理解できるお話ではないでしょうか。ペットというとただ可愛がるための動物って感じちゃいますけど、犬からしてみたら、私たちはあなた達人間と共に歩んでるんですよ!という想いがあるのではないでしょうか。あ〜、あのフサフサしたワンちゃんをガシガシっと撫でてやりたくなりました。2014/10/18
ミーコ
54
「疾風」と「遠吠え」が良かったです。ホロッと来るお話でした。犬と人間の信頼関係 絆と言うモノを改めて感じさせられました。今度は長編も読んでみたいです。2014/09/17
クリママ
46
犬にまつわる5編の短編。1、2編目、心に沁みる物語であるものの、ファンタジー色があり、それが私には残念。3編目、緊迫感のある悲壮な物語なのに、犬の独白が入ってしまう部分がある。4編目、人間の罪。短編では描ききれない感が。5編目、「天空の犬」の前半の話とかぶる。今作は私の期待とは若干異なったが、作者の飾らない文章は好きであり、3編目の、昔気質の猟師と熊の物語はとても興味深かった。次は「約束の地」を読み進めていきたい。2016/03/01