内容説明
中学校で起きた無差別殺傷事件。物語が二転三転していくなかで暴かれる戦慄の真相とは…。11月4日午前8時30分。ある私立中学校に1人の男が侵入する。1人の女子生徒が、彼の行動を見て叫んだ。「みんな逃げて!」果敢に男に立ち向かう彼女を悲劇が襲う。そして事件後、警察で秘かに行われた、ある特別な「再現」。そこから、思いもよらない事実が明らかになっていく…。スピーディーな展開に目が離せない。斬新な視覚効果を図った実験的小説が誕生。第13回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
著者等紹介
両角長彦[モロズミタケヒコ]
1960年、埼玉県生まれ。北海道大学中退、一橋大学卒。タウン誌編集部勤務など様々な職を経て、今に至る。2009年、『ラガド―煉獄の教室』で第13回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nyanco
48
舞台が中学校で無差別殺傷事件…とどちらかというと苦手な分野だが日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作で『斬新な視覚効果を図った実験的小説』というキャッチに誘われて手に取る。物語が二転三転…どんどんと変化していく。展開が早い。『視覚的』という点も面白く映像化したらイイかも。しかし途中から、全く違う方向に展開し始め、それも更にどんどんと転換し、ついには…う~ん。スピーディな展開に一気読みさせるものはあるのですが、やはり詰めの甘さと、あまりにもあれもこれもと欲張って風呂敷を広げ過ぎたかも…。やや消化不良で残念。2010/03/27
ダイ@2019.11.2~一時休止
32
各頁下に示されている図は親切なのか?確かに全員分の証言を取ったことを示すにはいいけどチョットくどい2014/03/12
梨姫
32
自分の読解力が足りないのか、最後まで分からないところは分からなったのだが。結局伏字の○○とは?緑の鹿の能力をどうやって全員に植え付けたのか?等々、他にも疑問点多数。ガリバー旅行記に出てくるラガド市の話は知らなかったが、警察とマスコミ、保護者、被害者加害者などの立場によって、事件の場であった事実が次々と否定され、真実が塗り替えられていく様子が、空理空論のラガドを暗示かとも思った。ただの復讐劇ではなく、背後の陰謀がかなり意外だった。教室の図解は別になくても話が通るのが肩透かしだった。2011/04/05
たくろー
29
読ませる勢いはすごい。設定もおもしろいし、展開もダイナミックかつスピーディー。ただ内容が…。2012/05/05
つっきー
27
★★★ 斬新な視覚効果を図った実験的小説―帯に誘われて読むことに。確かに発想、展開、図と斬新だなと思う点は沢山あった。作者さんの意図を掴もうと読むんだけど、掴み切れなくてどんどん読める。次第に明らかにされていく真相はスピード感もあって面白いって思えていたんだけど、途中から登場してくるキーワードがちんぷんかんぷん。結局、最後の最後まできちんと説明がなされていなかったので、消化不良のままで後味が悪い読了になってしまった。次回作に期待かな。2011/02/06