内容説明
札差の女主・はるゑが店の若い手代と心中した。家の欄間に紐をかけて両端に輪を作り、二人で同時に首を吊って果てる“相対死に”であった…―第一話「つるべ心中の怪」。許嫁を残したまま姿を消した下級旗本の次男・岸井謙次郎。噂では、博奕場に出入りした挙句、借金を作っての失踪だという…―第二話「赤とんぼ北の空」。独り住まいの踊りの師匠・富江の家に押し入った賊が、富江を殺害し火を放って逃げた。不思議なことに、燃やされたのは貴重な医薬書ばかりであった…―第三話「夏の宵、砕け星」。『群書類従』を編纂した盲目の大学者・塙保己一が江戸市井の難事件を鮮やかに解く。
著者等紹介
中津文彦[ナカツフミヒコ]
1941年、岩手県一関市生まれ。学習院大学政経学部卒。新聞記者を経て、’82年に『黄金流砂』で第28回江戸川乱歩賞を受賞し、デビュー。歴史ミステリーや社会派ミステリーで多くのファンを持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小倉あずき
3
塙保己一推理帖第三弾。 残念ながらここで一旦打ち止めらしい。続編出ないかな〜。 推理帖と言っても地道な聞き込みに耳を澄ませた結果の推論なので奇抜なトリックとかではないのが時代ものらしく好感が持てた。今回新しく登場した大田南畝の後妻となったお香さんがそれぞれの事件に少しずつ関わっていて第二話ではもしかして妹の婚約者に懸想していたのではないか?と思わず下衆な勘繰りをしてしまったが真相やいかに。2025/10/14
ちゅう
2
推理帖とあるけれど、それは違うような…。その辺は、がっかりでした。保己一さんより、娘婿の金十郎さんが、頑張っていました。江戸時代の事件なら、好みなのですが、ちょっとズレたかなあ。先がきになるって感じではありませんでした。2019/04/10
FK
2
シリーズ第三作。これまでのと同様に面白く読めた。3話からなり表題作が第1話。第2話は「赤とんぼ北の空」、第3話は「夏の宵、砕け星」。 第3話が塙保己一の仕事であった「群書類従」の編纂に直接かかわったミステリーであった。 2014/09/21
守里
1
「保己一推理帖」というよりは「金十郎事件帖」といった趣が…しかも保己一さんと違って金十郎くん人間関係不器用だからなぁ。婿さんなのに、何だか後継者の座も危うそうだし…そんなこんなで、彼の行く末がすんごく気になるんだけど、シリーズここで終わりって(愕然)2010/11/28
sai
0
金十郎のその後を読んでみたかったかな…2016/04/18




