内容説明
『独白するユニバーサル横メルカトル』の衝撃と興奮、よみがえる!日本推理作家協会賞受賞。「このミステリーがすごい!」1位。2006年の読書界を席巻した異形のマエストロ・平山夢明、再臨。凄まじくも美しく屹立する、壮絶な文学的冒険の成果を見よ。
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
1961年、神奈川県生まれ。映画・ビデオ批評から執筆活動をスタートし、1993年、『「超」怖い話』シリーズの執筆陣に加わる。1994年にはノンフィクション『異常快楽殺人』を発表、注目を集めた。1996年、『SINKER―沈むもの』で小説家としてもデビュー。2006年には短編「独白するユニバーサル横メルカトル」で第59回日本推理作家協会賞を受賞、同作を表題作とした短編集が「このミステリーがすごい!」2007年度版で第1位に輝くなど、高い評価を得た(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
57
久しぶりに平山さんの本を読みました。短編7作収録。グロテスクだけど何処かユーモラスな作風は唯一無二。正直、グロテスクな物が苦手な人にはオススメできません。「或る彼岸の接近」に出てくる人形のヨーイチがホラー映画に出てくるチャッキーみたいで面白かったです。SF風な「テロルの創世」、純愛風な「それでもおまえは俺のハニー」、ギャグとグロが絶妙なバランスで書かれた「ミサイルマン」がお気に入りです。2015/01/25
みも
47
『残穢』に実名で登場する。以来著者に興味を持った。7篇の短編集。切り口は様々なれど、共通するのはある種の異世界で、僕があまり触れた経験のない独特の世界観。寓話的世界に深遠な哲学を内在する残虐な狂気。その構成や先を読み切れない展開、また豊富な語彙を駆使して描く生々しさ。その想像力の逞しさたるや言葉も無く、著者の力量は推して知るべし。熱烈な支持者がいるであろう事も容易に想像がつく。だがグロテスク描写への嫌悪感は如何ともし難く、げんなりするばかり。少なくとも僕が望む作風ではなく、よく読み切ったと自分を褒めたい。2018/05/20
ミーコ
36
平山さん3冊め。「テロルの創世」は「私を離さないで」に似たお話で1番良かったです。他は何とも狂気をはらんだお話で表題作は狂ってるー❗と思いながら読了・・・。次は「デブを捨てに」を読む予定です。 2018/02/01
おすし
35
平山夢明さんですから…誰にでもオススメできるモンじゃありませんが、たまーにどうしようもなく平山味を欲するのです。前半3編はSF感が強めでグロ味はソフトだったので、こういうのも書かれるんですね!とヨユーこいていたものの、だんだん容赦なくなっていくグロ味に、最後の『ミサイルマン』を読み終えた頃には、すっかり脳味噌やられているのです。『枷』の、淡々と容赦なく残酷な展開が続いてからの、救いがあるような無いようなオチが好き。2020/12/06
そのぼん
27
思いの外、えげつない話が多かったです。強烈に不気味でグロい作品もあったので、好き嫌いは分かれるかな、と思いました。2012/08/12