内容説明
トスカナ地方の領主の息子で、天使を思わせる美少年ヴィットーリオ。幼いときからメディチ家の支配するフィレンツェでルネサンス文化を浴びて成長した彼は、父の城で騎士としての修練にも励んでいた。だがある日、城を残虐なヴァンパイア集団が襲った。彼らはヴィットーリオの一族を皆殺しにするが、なぜか美貌の女ヴァンパイアは彼の命を救った…。人間としての生を捨て、悪魔たちへの復讐を誓った少年が、闇の種族に身を投じた経緯を語る“ヴァンパイア・クロニクルズ”の異色作。
著者等紹介
ライス,アン[ライス,アン][Rice,Anne]
1941年、ニューオリンズ生まれ。娘の死をきっかけに創作活動を開始した
柿沼瑛子[カキヌマエイコ]
早稲田大学卒
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感想・レビュー
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mocha
75
なんとかがんばって読みきった。14世紀イタリアを舞台にしたヴァンパイアもの。若く美しい領主の息子が、いかにしてヴァンパイアとなったかを回顧する。読みづらいわりに内容が薄くて徒労感が残る。好物の匂いがしただけに残念だ。2018/04/12
Dai(ダイ)
16
今までのシリーズ中、最もつまらない作品。なぜ今更天使など登場させたのか?刊行前後に著者自身に悲劇が起こったらしいがその影響もあったのか?どうでもいいと言うより書いたことによりシリーズの価値が下がってしまったのではないかと心配する。本作品を読んでこんなにつまらない物かと本編シリーズを読むことをやめようかと思った人には違うよと声を大にして言いたい。ヴァンパイア・クロニクルズは間違いなく傑作なのだから。2015/06/05
はちくま
2
背景は緻密に描かれているし、特に美術の描写は、フラ・アンジェリコやフラ・フィリッポの絵がすぐ見たくなる。・・・でも、もう美少年とか美青年とかいう単語にすぐに飛びつくのはやめよう・・・。2013/06/17
アキ
1
おなじみのルイやレスタトのヴァンパイア達とは別の闇を生きるヴァンパイアの物語。1400年代ルネサンス期のフィレンツェの様相と、画家の手から描かれる絵画の素晴らしさを細かい描写で表現しているのが嬉しい。2004/06/16