内容説明
知る人ぞ知る裏(マイナー)な名刹・大悲閣千光寺に、今日も珍妙な事件が持ち込まれる。元裏世界の住人にして寺男の有馬次郎とマイナー新聞の自称「エース記者」折原けい、自称「裏京都案内人」のスチャラカ作家・ムンちゃんが、難事件の謎を追う!?誰も知らないミステリアス京都と、古都ならではの謎解きの妙味、たっぷりとご堪能ください。
著者等紹介
北森鴻[キタモリコウ]
1961年、山口県生まれ。鮎川哲也編集の公募アンソロジー『本格推理』への参加を経て、1995年、『狂乱廿四孝』で第6回鮎川哲也賞を受賞し、デビュー。1998年、『花の下にて春死なむ』で第52回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hirune
48
ムンちゃんと折原けいは全くの疫病神で次郎を否応なく困った羽目に引きずり込むけど、どうやら次郎は以前結構な犯罪者だったらしいから、これは天罰みたいなもんかもね?平凡な日常に飽きていて困りごとを解決するのを楽しんでる面もあるみたいだけどね。。十兵衛の大将の作るお料理が美味しそうなんだよね〜たまりませんよ☆2015/07/17
ぶんこ
27
住職の人柄に惹かれました。 そして料理の数々。 秋から冬の京都だったのも安心して読めた原因かもしれません。(夏だと、暑さが苦手で、作中でも暑さが漂ってきそうで) ムンちゃん、折原さんの図々しさも、結局は住職の大らかさがあってでしょう。 有馬さん、カズさん、すっかり悪の道から手を引いたといっても、まさかの時には昔とった杵柄でした。 短編のように、色々揉め事が現れましたが、一つをじっくり読みたくなりました。2014/07/13
星落秋風五丈原
16
今回も出てくる、出てくる、パロディの数々。タイトルではムンちゃんこと水森堅の受賞作『鼻の下伸ばして花ムンムン』(北森氏著作『花の下にて春死なむ』)はもういいとして、『興ざめた馬を見よ』(五木寛之『蒼ざめた馬を見よ』)。冒頭の『狐狸夢』には、『二十歳の原点』を借用した記事が登場し、ムンちゃんこと水森堅が持ってくる自信作の名は『狂乱マジック』(北森鴻『共犯マジック』+『狂乱二十四孝』?)。そして京都の碇屋警部は、山村美紗ミステリーに数多く登場する狩谷警部のパロディ(…なんだろうなぁ)。2006/05/28
花花
15
「支那そば館」に引き続き裏京都シリーズ。京都ならではの料理や食材が満載で、関東との違いが楽しい。お揚げのたぬきうどんは知らなかったし、白味噌のお雑煮食べてみた〜い。十兵衛の料理も相変わらずおいしそう。けいちゃんとムンちゃんの夫婦漫才もできあがってきたし、次郎と住職のキャラも好きだった。ちょっと軽めで楽しく読めたこのシリーズ、もっと読みたかった。2011/06/13
星群
12
ムンちゃん、折原けい、アルマジロウ、なんとも騒々しい…いや、にぎやかな人達…。二人に振り回されてる有馬次郎に、少し同情心が。伝説の話とか事件の話とか、少しごちゃごちゃ感があるけど、いろいろ興味深かった。特に興味深かったのは『ぶぶ漬け』のこと。2011/12/30