内容説明
椎名留美は元警官。山形市に娘と二人で暮らし、探偵業を営んでいる。便利屋のような依頼も断らない。ある日、風俗の送迎ドライバーの仕事を通じて知り合ったホテルの従業員から、息子の捜索を依頼される。行方がわからないらしい。遺留品を調べた留美は一人の女に辿り着く。地域に密着した活動で知名度を上げたその女は、市議会への進出も噂されている。彼女が人捜しの手がかりを握っているのだろうか。
著者等紹介
深町秋生[フカマチアキオ]
1975年山形県生まれ。2004年『果てしなき渇き』で第3回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞して’05年にデビュー。同作は’14年『渇き。』として映画化される。’21年「ヘルドッグス」シリーズもまた映画公開され、大きな話題を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
216
深町秋生、2作目です。本書は、ミステリとしては微妙ですが、主人公がデリヘルの送迎運転手兼探偵で、山形弁を流暢にしゃべるところがユニークでした。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843349151242023/04/29
いつでも母さん
167
元刑事で探偵を生業とするシングルマザー・椎名留美の続編が出た。しかも今回は長編だ。全編山形弁が飛び交い、何でも屋を兼ねなければ食べて行かれないのに、何故か悲壮感が無いのは留美の人柄か?若しくは助っ人を頼む逸平夫婦の呆れる凶暴さのなせる業か?(笑)依頼は何とも哀しい母の思いが遣る瀬無い結末ではあったが、長く待った甲斐があったシリーズだった。まぁ、深町さんにしては柔らか目ではあったけれど、また続編を待っていたい。2023/04/06
しんたろー
144
前作の感想に「シリーズ化希望!」としたので第2弾が出て喜び勇んで読んだ。今回は人探しから始まる長編で、留美の地道な活動と時折入る小気味よいアクションがバランス良くページがスイスイ進む。お気に入りの逸平&麗の夫婦が巧く絡んで物語を盛り上げてくれるのも嬉しい。終盤で二転三転する展開も練られていて、深町さんのエンターティナーぶりは健在!相変わらず山形の描写が目に浮かぶようだし、赤羽の雑多な雰囲気も「うんうん!」と頷けた。シリーズものは面白さを維持するのが大変だろうが、八神瑛子シリーズ共々、頑張って続けて欲しい。2023/04/25
Kei
123
みんな、母、です!探偵自身も、その母も義母も。依頼人も、探偵の助手も、疑わしき美女すらも。達が、山形の大地で、地方の様々を絡ませて、展開していきます。母は強し。山形弁で。ハードボイルドですけれど。言葉が気にならず、すんなりと状況に立ち入れます。どこにでも事件はあるものね。シリーズ2作め。2023/06/27
モルク
118
「探偵は女手ひとつ」の続編。元刑事の探偵留美、マスク不足ということはコロナが広がり始めた頃の山形が舞台。ラブホテル従業員の女性から息子の失踪捜査依頼を受ける。この女性なかなかの資産家、その息子は母の金をあてにする道楽チンピラだが何かきな臭いことに首を突っ込んでいたらしい。捜査が進むにつれ留美の身にも危険が…今回も元ヤンキー逸平麗夫婦が大活躍。彼らなくしてこの物語は語れない。今回は留美自身の子育ては控えめにしているが根底にあるのは母と子。そして山形弁が強烈だがあたたかい。2024/06/30