出版社内容情報
夫と死別し、不登校の息子と暮らすシングルマザーの早織。早織には忘れられない恋があった。25年の時を経て恋の結末に向き合う。
内容説明
夫と死別し、不登校の息子と暮らすシングルマザーの早織。綱渡りのような日々を送るなか、早織には、淡路島ですごした高校時代の忘れられない恋があった。偶然の再会を機に、あの恋の結末にようやく向き合えた早織は。
著者等紹介
尾崎英子[オザキエイコ]
1978年、大阪府生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒。2013年『小さいおじさん』で第15回ボイルドエッグズ新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やも
70
夫と死別したシンママ、早織が主人公。早織の息子の柊は不登校、脳内にイマジネーションフレンドがいる。早織の現在と過去をいったりきたりしながら章が進む。夫にされてた隠し事、学生時代の傷跡は今でも尾をひいていて、早織を生きにくくしている一因だ。それがある再会を機に…▶たこせんと蜻蛉玉は学生時代のキーワードではあるけど、タイトルにするほどかなぁって思っちゃった。相手は同じでも、学生時代と大人になってからとでは、良くも悪くも見方が変わる。心配事もある瞬間を境に笑えるようになる。そこらへんはリアルで良かった。2025/06/04
J D
70
初読み作家さん。タイトルの青春爆発風味に惹かれて読んで見た。期待とは異なったけど、読んで良かったと思える作品だった。早くに夫をガンで亡くし不登校の息子を抱える宇多津早織。彼女と息子がこれまでの人生にケリをつけて再生する物語。早織と沢井との再会はどこか物足りなさを感じたが、沢山の余韻があって、あれで良かったのかなと読後に思った。雨谷と再会がこの作品の肝で、沢井以上のものがあった。美しい物語でこの作家さんの作品を他にも読んでみたい。2023/01/14
konoha
66
尾崎さんの別の作品を読んだばかりだったが、こちらの方が自分には合って一気読み。シングルマザーの早織は空想癖があり不登校の息子、柊と暮らすが、高校の同級生との再会で当時の三角関係を思い出す。物語を読ませるパワーと情景が浮かぶような繊細な描写が素晴らしい。早織と柊の問題を深掘りすることもできたと思うが、青春時代の濃密な空気や生々しさがこの作品の魅力。初恋の幸せや切なさ、会いたいと願う気持ちが伝わってくる。青春と今の居場所の狭間から一歩踏み出す早織の姿に共感できる。不思議なタイトルも読むとスッキリ。2022/09/20
ぼっちゃん
45
不登校となりベランダで宇宙人を探している幼い息子と高校時代の初恋を壊した友人との再会の物語。初恋を壊した友人と会いたくはなかったかもしれないが、出会うことで恋の結末に向き合え、前に進もうと思えたのだろう。【図書館本】2022/07/23
信兵衛
28
日常生活という狭い世界、そして地味なストーリィですけれど、読んでいてとても気持ちが好い、爽快です。 何故なら、主人公である宇多津早織が、今の生活にきちんと向かい合って精一杯生きているからでしょう。2022/07/20
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