出版社内容情報
本格ミステリ・ベスト10第1位『透明人間は密室に潜む』の衝撃、ふたたび――。本格ミステリの極限を探る、濃縮された四編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
314
阿津川 辰海、4作目です。色んなアイデアの詰まったバラエティに富んだ短編集、オススメは、表題作『入れ子細工の夜』&『六人の激昻するマスクマン』です。今年のミステリランキングにエントリーされるのではないでしょうか❓ https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843349146462022/09/10
パトラッシュ
269
斬新な謎とどんでん返しの連続の果てに、ラストで大逆転解決の大技にかけられて一読呆然。この作者が脚本家なら類まれな舞台感覚の持ち主として、大ヒットする映画や舞台を連発していただろう。寄り道になる物語や人間関係描写に筆を費やさねばならない長編と異なり、ストレートに展開する短編は一気に読めて読後感もいい。作者は「今後も短編中心で創作を続けた方が作家として売れのでは」と書けば嫌がられるかもしれないが、そこまで思わせるほどの出来栄えだ。今年の協会賞短編部門受賞者にふさわしい、短編ミステリの面白さを凝縮した好編揃い。2022/06/16
青乃108号
234
4話の短編集。技巧に走り過ぎたか。1話目、読みたいと思わせるミステリーが沢山の、古本がらみの話。まあ面白い。2話目、ミステリーが大学受験問題として出題される話。構想は面白いがストーリーは壊滅的。3話目、覚えていない。4話目、大学プロレス同好会の話。どうでも良い。全体的に大した事ない、読まなくても良い本。4話共に新型コロナの新生活様式が当たり前の様に背景に描かれており、通常に戻った今となってはその点でも奇異に感じてしまう。2023/12/01
kou
192
4編の短編集。どの作品も、著者のミステリー愛がビンビン伝わってきた。「6人の激高するマスクマン」が一番好きだったかな。「2021年度入試という題の推理小説」は意欲作だったと思う。自身も受験してみたい(笑)。2022/08/31
みっちゃん
169
ええい、ややこやしいわ。二転三転、とはよく言うがこれはもう、どんだけ。だからか、殺人事件でも笑いながら読んでしまったわい。特に『二〇二一年度入試という題の推理小説』には参った。作者のあとがきの「くれぐれも、真面目に解こうとなさらないでください」にも吹いたよ。帯の文言「いいぞ。もっとやれ」編集者もどんどん煽ってどんどん作者を調子に乗らせて欲しい。2022/09/28