出版社内容情報
真理子は夫・陽介と共謀し、自分を騙した男の殺害計画を実行に移そうとするが……。思いがけぬ誤算が生んだ鉄壁のアリバイ。
内容説明
宝石商の壬生真理子が夫の陽介と共に描いた綿密な殺人計画が今宵実行に移される。ターゲットは自分たちに偽造ダイヤを売りつけたイタリア人のフェルナンド。アリバイ工作も整い、残るは殺害のみという状況下、予想外の人物が凶弾に倒れる。だが、それすらも「計画」を逆手に取った加害者の計算通りだった…。予断を持って捜査を進める集団の中で、ただひとり花房は別の可能性を検討しはじめていた。思い込みで立ち止まってはならない。浮かび上がる真実が、たとえ信じられなくとも…。
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年神奈川県生まれ。’91年、「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞しデビュー。’99年、『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
188
香納 諒一は、新作中心に読んでいる作家です。久々の香納 諒一の新作は、女刑事コロンボのような昭和のミステリでした。 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843349145852022/05/13
ma-bo
93
香納さんの作品は初読み。題名にも記載されている刑事花房京子が登場するのは、3分の1程度進んだあたり。犯行の場面は最初に示され犯人は分かっている状況で話は進む。事件の細かい所に疑問を持ち、鋭い洞察力と行動力で、被害者を装った犯人のアリバイを崩していく。2022/07/10
タイ子
84
第2弾、やはりシリーズ化されましたね。コロンボ風の倒叙ミステリー。作品で言えば福家警部補。今回もシラを切る殺人事件の容疑者に対してジワリ、ジワリと攻め寄る花房京子の姿が凛々しい。所轄の刑事にとってはうっとおしく感じる彼女独自の捜査、刑事たちの筋読みと違う彼女の読みを容疑者、捜査班がどう受け止めていくのか。作中で使われるコロンボへのリスペクト、松本清張作品のある有名なシーンを描写。倒叙ミステリーとしては珍しくない内容だけど、犯人が追い詰められていくサマは気持ちいい。「のっぽのバンビ」花房京子をまた読みたい。2022/06/23
さっこ
68
刑事・花房京子シリーズ第2弾。倒叙ミステリー。偽造ダイヤを売りつけたイタリア人を殺すため、宝石商の妻と夫がアリバイも整え完全犯罪を目論む。そのアリバイを逆手に取り、夫は妻を殺害する。田園調布と三浦半島で起きた二つの事件。現場の矛盾や夫の行動に些細な疑問を持つ京子が一つ一つ丁寧に潰していく。読みやすかった。2022/07/16
タックン
59
刑事コロンボや古畑任三郎シリーズみたいな倒叙ミステリー。コロンボみたいに細かいことが気になる、木の葉型の目をしたノッポさんバンビの若い女性刑事が(逆転のアリバイ)に臨む。 最後のアリバイ崩しの説明はドラマみたいに映像でないとよくわからない感じですね。映像化に期待です。背が高いからイメージはガッキーかなあ・・・ 2022/07/22