出版社内容情報
20世紀初頭、貧乏貴族サー・ジョセフは「白銀騎士団」の仲間と共に数々の危険な事件を解決に導いてきた。
内容説明
帝国主義に覆われ、軍靴の響きが近づく1905年のロンドン。霧の垂れ込めた街には夜ごと怪物が跋扈していた…。けれど、この街には暗鬱な空気に立ち向かう「白銀騎士団」がいる。腕利きの従者の中国人・李、インド人・ゴーシュ、負けん気の強いメイドのアイルランド人・アニー、そして若き准男爵にして団長のサー・ジョセフ。個性豊かな面々がロンドンの平和を守り、貧乏貴族から脱するため、はびこる悪と今日も戦う!
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。’78年『緑の草原に…』で第3回幻影城新人賞を受賞しデビュー。’88年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞、2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
93
なんとなく西洋剣戟?なイメージを持って読んでみたら、全然違いました。准男爵のサー・ジョセフが従者2人とメイドのチームで怪事件に立ち向かうお話。1905年という昔のロンドンの雰囲気が描き込まれ、興味深い薀蓄も豊富に盛ってあるので、大いに気分が出る。サー・ジョセフはかなり残念な人ながら、人種差別や偏狭な価値観には断固立ち向かう。主人公ら4人組の掛け合いが軽快で、気楽に読める。最初に短編があって、オープニングとして気持ちが上がったところで長編エピソードに入るのも構成として良し。続編はほどほどに期待するとしよう。2022/04/20
よっち
39
二十世紀初頭の英国を舞台に、ちょっと頼りないけれど差別も偏見も許さない若き英国貴族ジョセフが、持ち込まれた事件を解決する物語。武術を極めた中国人李とインド人ゴーシュ、勝ち気なアイルランド人メイド・アニーといった従者たちに振り回されながらジョセフが挑む、依頼主の所有地に出没する怪物や、依頼に法外な手付金を支払う顧客の真意。当時の英国紳士たちの偏見はなかなかあれでしたけど、遠慮のない言い合いができる主従に、若き日のチャーチルも絡めながら事件を解決してゆく展開はなかなか軽妙で、エピソードのオチも効いていました。2022/04/26
りー
37
とっても久々な田中芳樹節を満喫。妖怪退治のお話かと思ったら、最後の方は阿片がらみの活劇でした。時は日露戦争の頃、所は英国。主人公のお坊ちゃんを支える従僕=中国人とインド人のコンビが良い。田中先生のキャラらしく、坊っちゃんよりも2人の発言権が上で、でも2人が坊っちゃんをとても大切にしているところ(*^^*)。2023/01/09
るぴん
34
図書館本。身分制度や人種差別が全盛の大英帝国。惚れっぽい貧乏貴族のサー・ジョセフ、インド人従者のゴーシュ、中国人従者の李、アイルランド人メイドのアニー。彼らは白銀騎士団として人外のものと戦う。お人好しのジョセフを揶揄うゴーシュと李のやり取りも楽しいし、アニーの元気と勇敢さにも好感が持てるんだけど、うーん…何か物足りない。ボーア戦争や人種差別に関する説明が多くて、物語に没頭しづらかったからかなぁ。田中芳樹さんだから絶対に面白くなるだろうし、続編に期待。2022/07/13
鐵太郎
23
久しぶりの田中芳樹。かつての、8歳から80歳までの子供たちの冒険物語を読めればいいなと思って一読。「白銀騎士団」なるなにかを退治するための、若い英国貴族と二人の従者とメイドの一団のお話。二編の中編なのだけど、一作目は銀の弾丸で倒せる魔物に取り付かれた青年で、二作目は英国の麻薬問題に絡むあれこれ。まァ面白いけど、一貫性がないね。でもどれだけ英国が嫌いなんだか知らないけど、悪いところばかり際立たせてますな。かつて時の政府をあることないこと貶すのも辟易したけれど、子供向きの冒険譚にこれを持ち込まれると不快です。2022/11/05
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