出版社内容情報
これは、明日なき世界の福音だ。出世作となった『独白するユニバーサル横メルカトル』の原点に回帰し、まとめられた最新傑作集。
内容説明
地獄の神様、もっと酷いことにしてください。食い詰めて、わるさがバレて、仕事も家も頼る人もいない。そもそも、誰かを信用したこともない。子供の頃には唄が聞こえたこともあったし、物語のなかのような優しい母親やかわいい妹もいた気がするのに―。絶望と哄笑に彩られた詩情。物語の強度を極限まで上げた、瞠目すべき傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
208
平山 夢明は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。著者の真骨頂、カルトでファンキーなエログロ短編集でした。オススメは、表題作『八月のくず』&『餌江。は怪談』&『箸魔』です。 https://www.news-postseven.com/archives/20211021_1700004.html?DETAIL 【読メエロ部】2021/11/10
H!deking
100
もうね、待ってましたよ。これですよ、これ!読みたかったのは!今回の新作は、メルカトルとかミサイルマンからの異形コレクションのシリーズですね。ふじみのちょんぼは、異形コレクションでも好きすぎて3回くらい読んだけど、また読んでしまいました。読めば読むほど味が出る、めちゃくちゃ好きな作品です。もちろん他の収録作も全部面白かった!個人的にはおすすめしたいとこだけど当然の事ながら苦手な人は苦手かも(笑)2021/09/26
Bugsy Malone
79
救いの無い、全く救いの無い10編の短編集。読んでいて嫌になる程の絶望の中、喘ぎながらもしぶとく生きようとする者に諦める者、設定は違うがどれもに現実を重ねてしまい、それを抉り出し読ませてしまう著者の凄さを改めて認識しました。平山さんの著作の中のろくでなしたちに対する優しさ、それさえ押し殺した様な作品群に、上辺の世界に対する平山さんの怒りを感じるのは穿った見方かもしれないけれど、そうであってほしいな、などと勝手に思ってしまう傑作短編集でした。2021/12/24
さくりや
55
帯の文言が今の私に響くし刺さる。どの作品に出てくるのか心待ちにしていたが、引用ではなかった。なのにどの作品にも通じる部分があるという素晴らしさ。ド地獄の底から見える一縷の希望と一瞬の光を魅せる短編集。グロいし汚いけれど平山先生のこういった作風に救われている人はたくさんいると思う(私もその一人)。ラジオでおっしゃっていた「鋸で釘を上手く叩けないと泣いている子が多い。君は木が切れるんだよ!」という言葉を胸に、本日も地獄を生き抜く所存2021/09/24
よしぱん
47
★4 一編20~30ページなのに、不条理でグロでクレイジーで読後感が地獄で気が遠くなる短編10編。個人的ベスト3は「八月のくず」殺した恋人が増殖してループして。「あるグレートマザーの告白」売春母に育てられた売春女が息子を絶望人間に育てたくて。「いつか聴こえなくなる唄」家畜生物と少年のふれあい。平山先生の脳内というかメンタルはどうなっているのか、普通の世界に生きててよかったとホッとする。★4をつけたけど誰にも薦められるわけじゃない一冊。2021/12/29
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