出版社内容情報
事件現場にいる者たちの推理力を高める力、「ワトソン力」。不思議な力が7つの事件を解決に導く連作短編シリーズ。
内容説明
目立った手柄もないのに、なぜか警視庁捜査一課に所属する和戸宋志。行く先々で起きる難事件はいつも、居合わせた人びとが真相を解き明かす。それは、和戸が謎に直面すると、そばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる特殊能力、「ワトソン力」のおかげだった。殺人現場に残されたダイイング・メッセージ、雪の日の不可能犯罪、バスジャックされたバス内の死体…。今日も和戸を差し置いて、各人各様の推理が披露されていく!謎解きの楽しみが目白押しの本格ミステリ短編集!
著者等紹介
大山誠一郎[オオヤマセイイチロウ]
1971年埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。サークル在籍中は「犯人当て」の名手として知られた。2004年、『アルファベット・パズラーズ』でデビュー。’13年、『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。’18年発表の『アリバイ崩し承ります』が『2019本格ミステリ・ベスト10』国内ランキング第1位に、’20年には連続ドラマ化され、大きな反響を呼ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobby
230
むちゃくちゃ楽しかった♬周囲の人達の推理力を上げる謎の力、それ名付けて『ワトソン力』。その設定にもうニヤリだが、連作短編として全編に繰り広げられる推理合戦はコミカルや突飛もあり極めてロジカルなど、本人以外の頭脳は冴え渡る(笑)物理トリック苦手な自分にも程よく笑えて最後は納得の捻りに至るのが面白い!これが単なる短編集であれば多分もの足りない印象だと思うが、プロローグでの拉致監禁状況からインタールード挟み、エピローグでのまさかの推理に繋がっていくのもいい!いや、これは間違いなく新たなバディもの続編待つばかり!2020/12/07
しんたろー
227
「本格ものの出汁」がほのかに効いたスイスイ読める楽しいミステリ…半径20m以内の人間の推理力を急上昇させる特殊能力(ワトソン力)を持つ捜査一課刑事・和戸を主人公にした短編集…クローズドサークルでの密室解きやアリバイ崩し等を織り込んでいて、殺人事件が起きているのに陰惨でなく、時にはコミカルでさえある。7つの話をプロローグとエピローグで括ってあるのも洒落っ気があって好き。中には「とんでも推理」も混ざっているのが本作の面白いところで、何度も吹き出した。手軽にミステリの良さを味あわせてくれる大山さんに感謝の一作。2021/01/24
ひさか
188
宝石ザミステリー3赤い十字架、2014年夏求婚者と毒殺者、2014年冬雪の日の魔術、2016雲の上の死、ジャーロ63号暗黒室の殺人、66号探偵台本、67号不運な犯人、の7つの短編に書き下ろしのプロローグ、インタールード1、2、エピローグを加えて2020年9月光文社から刊行。周りの人の推理力を飛躍的に高める特殊能力者の捜査一課和戸宋志のストーリー。設定がユニークで、すぐに犯人推理が始まる展開が面白い。書き下ろし部分を繋げた和戸拉致事件の挟み込みの話がサスペンス色を増している。杉田さんのイラストも楽しい。2020/12/01
ちょろこ
171
笑いもある本格推理の一冊。面白かった。タイトルの“ワトソン力”の意味に意表を突かれながらも本格推理ワールドへ瞬く間に惹きこまれる。ワトソン力によって繰り広げられる推理合戦はまるでシーソーゲームを観戦しているかのよう。自信満々の推理にはすかさず反撃あり。新しい推理が出るたびに思わずほぉ〜と言いたくなり、突飛な推理には笑いながらもいいね〜と手を叩きたくなる。和戸の飄々としたキャラ、複雑な推理、映像で観たらもっと笑って楽しめそう。この構成といい最後に魅せる壮大なワトソン力といい大満足の大きな拍手。2020/10/11
たか
140
検挙率十割を誇る警視庁捜査一課第二強行犯捜査第三係の捜査員である和戸宋志はそばにいる人間の推理力を飛躍的に向上させる特殊能力「ワトソン力」の持ち主だった。 ある日目覚めると見覚えのない部屋に監禁されていた。誰が何の為に?過去にプライベートで事件に巻き込まれ「ワトソン力」が発動して解決した事件を回想し自分の監禁された謎に迫る。 短編7話の連作短編集、本人和戸には推理力は無いが「ワトソン力」で周りの人が推理を戦わせ犯人を炙り出す。本人は見守るだけで周りがなすり合い(推理)で事件を解決する。 ★★✩✩✩ 2.02022/06/06