雨の中の涙のように

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  • サイズ 46判/ページ数 296p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334913618
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

ハンコ屋を営む伍郎は、かつてしのぶと役者としての成功を夢見ていた──。過去に縛られて生きている人々を描いた傑作連作短編集。

内容説明

ただ立っているだけで圧倒的なオーラを放つスター、堀尾葉介。アイドルグループ「RIDE」の一員として十四歳でデビュー。二十二歳のときに演技の勉強のためにアイドルの座を捨てる。地道に努力を続け、アクションから時代劇までこなす実力派の俳優と評価されている。容姿と才能に恵まれ、誰もが好感を持ち、賞賛する男―。過去に縛られ、不器用に生きている人々が彼とすれ違うとき、人生に変化が訪れる。その葉介も過去に縛られていた…。

著者等紹介

遠田潤子[トオダジュンコ]
1966年大阪府生まれ。関西大学文学部独逸文学科卒。2009年『月桃夜』で第21回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。’12年『アンチェルの蝶』が第15回大藪春彦賞候補に。’14年刊行の『雪の鉄樹』が文庫化され、’16年の「本の雑誌が選ぶ文庫ベスト10第1位」に選ばれる。’17年に『オブリヴィオン』が「本の雑誌2017年度ベスト10」第1位、『冬雷』が第1回未来屋小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

349
遠田 潤子は、新作中心に読んでいる作家です。本作は、映画モチーフ堀尾葉介連作短編集でした。オススメは、『第二章 だし巻きとマックィーンのアランセーター』&『第三章 ひょうたん池のレッド・オクトーバー』です。是非映画化して欲しいと思います。 https://book.asahi.com/article/13717399 【読メエロ部】2020/09/27

ウッディ

254
アイドルから本格俳優に転身した堀尾葉介、圧倒的なオーラを持つスターでありながら、真面目で気遣いができ好感度抜群の彼と関わった人たちの物語、時代劇の大部屋俳優の話、だし巻き玉子の話にウルウルしながら、遠田さんらしくなさを感じたが、葉介の過去が明らかになるにつれて、壮絶さとドロドロ感が増し、徐々に遠田さんらしい小説でした。洋画の名シーンのエピソードを織り交ぜ、美しい装丁やタイトルとともに、しっかりと読者の心に何かを残した短編集でした。面白かったです。2021/06/06

fwhd8325

249
心に響く連作でした。どこか影を感じさせる主人公の姿に、なるほどと一人合点がいったように頷いていました。そう感じさせてくれたのも著者の仕掛けだったのかもしれません。物語に出てくる映画作品も懐かしかったり、良い効果を演出していると思います。初めて読んで好きになりました。2021/02/24

パトラッシュ

247
強烈な光を放つカリスマやスターを主人公にした小説はあまたあるが、その眩しさに目がくらみながら視線を外せない周囲の思いが描かれる場合は少ない。堀尾葉介という俳優の魅力と才能に接して、思いがけぬ人生の転機や事件を経験する無名の庶民の哀歓を巧みな筆で綴っていく。著名人との出会いは幸福ばかりをもたらさず痛みや苦い思いさえ伴うが、その人の一生では間違いなくダイヤのように輝く一瞬なのだ。思い出を胸に生きていく人にとって、その一瞬は時と共に消えず残る。最後に葉介が撮りたいと願ったのは、そんな一瞬を切り取った映画だろう。2021/07/10

いつでも母さん

230
スター・堀尾葉介とその彼と交錯する人々を遠田さんが紡ぐ7話と葉介が抱えてきた過去のこと。前作『銀花の蔵』に続き、これ遠田さん?って読み始めた。生きていると苦い思いを嚙み締めることがあるよね。この葉介と関わり合って救われた人がいた・・それだけで十分なのに、葉介の心の奥底にあるものまで共有させられるのが心地いい読後感だった。哀しくて愛しいそんな感じ。ただ一つ願いは「どうぞ、見つかりませんように。」2020/09/09

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