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バケモンの涙

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  • サイズ 46判/ページ数 264p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334913519
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

子どもたちを飢えから救い、何千人もの人々にポン菓子職人という職を与えた、実在の女性実業家の生きる姿に迫る、朝ドラ風女一代記。

内容説明

日本は未曾有の食糧難に襲われていた。橘トシ子19歳。大阪の旧家のいとはんは、国民学校の教師となるが、栄養不足で命を落とす子どもたちを何とか助けたいと願う中、少ない燃料で大量の穀物を食べられるポン菓子の存在を知る。一念発起、ポン菓子製造機を作ろうと使命感に燃え、製鉄所のある北九州に女ひとり乗り込み、工場を立ち上げるために奮闘するトシ子。子どもたちを飢えから救い、復員した人々にポン菓子売りの職を与えた、実在の女性の苦難を乗り越えていく姿に迫る、感動の物語。

著者等紹介

歌川たいじ[ウタガワタイジ]
1966年東京都生まれ。1日10万アクセスを記録した「♂♂ゲイです、ほぼ夫婦です」のカリスマブロガー。『じりラブ』など多くの作品をもつ人気漫画家でもある。伝説的コミックエッセイ『母さんがどんなに僕を嫌いでも』は映画化され話題となる。2015年『やせる石鹸』で小説デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

263
日本初のポン菓子製造機を作った吉村利子さんをモデルにした小説、と聞いて読みたくなった。著者が「♂♂ゲイです。ほぼ夫婦です」の人気ブロガーというところも、惹かれた理由だった。主人公は「女らしくしなさい」と言って育てられた大阪の商家の娘。しかし、機械作りが好きな活発派。”自分らしさ”探しをした結果たどり着いたのは、「答えは探すもんやないねん。見つけるもんでもない。決めるもんなんやって!」。著者の生き方、と重なるようで感動。もう少し、ポン菓子製造機を製作する際の苦労話や、全国販売への手がかりなどが読みたかった。2020/10/21

いつでも母さん

178
「ありがとう、生きててくれて」私は今は亡き父にこの言葉を捧げたい。おかげで今の私がいる。沢山の人がそれ以上の沢山の方々を思う8月。いい作品と出会えた。これは映像が浮かび朝ドラを見ているようだった。何度も涙した。「戦争は、誰が、なんのためにはじめるのでしょう」天国の友へ綴る手紙の一行は、未だに地球上から無くならない戦争、未来を託す子ども達へと繋げたい言葉だ。『一念』で作り上げた穀類膨張機。ポン菓子!懐かしい・・次に食べるときはこの作品を思い出すに決まってる。お勧めです。2020/08/11

みっちゃん

173
ポン菓子。私が幼い時には「ドン」と呼び、袋には「バクダン」などと印刷されていた。あの昔懐かしいお菓子が日本中の子ども達の口に入るまでに、こんな劇的な経緯があったとは。終盤はほぼ涙目で読んだ。飢えで力尽きる幼子、空襲で生きながら焼かれる赤ん坊、読むのも辛い描写もあったが、でもそんな子ども達に笑顔と元気を取り戻したい、1人の娘の一念で起こした行動が徐々に周りの人々を動かして、ついには大きなうねりになっていく。読みごたえがあった。エピローグ、志半ばで命を絶たれた友への手紙がさらに胸に響く。2020/12/24

海猫

122
事実をベースにして書かれた小説。主人公のトシ子は大阪府八尾市の龍華町の出身で、物語もそこから始まる。ここが私の地元なので、思いきり気持ちが入った。ああ、あのへんで戦時下にこんな出来事があったのだな。とか、あれこれ考えてしまう。で、栄養不足の子どもたちのために、トシ子はポン菓子製造機を作ろうと、北九州へ乗り込む。実話がもとで地元が絡んでること抜きでも、面白く読める女性の一代記。文章がしっとりと落ち着いた感じで読みやすく、お話はドラマチック。良質のドラマを観ているようで引き込まれる。ポン菓子を食べたくなった。2020/10/10

ゆみねこ

101
歌川たいじさん、初読み。戦時中、飢えに苦しむ子供たちを救うため、幼い頃に食べたポン菓子の製造機を作ろうと単身北九州戸畑に乗り込んだ大阪のいとはん「トシ子」。迫り来る空襲、周囲の無理解、鉄の不足を乗り越えて第1号機が出来るまで。トシ子が作ったポン菓子製造機は、戦後の復興にも寄与することになる。実話を元にしたフィクションと言うことですがドラマ化しても感動を呼びそうです。2020/07/31

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