出版社内容情報
突如あらゆる人間が一瞬にして捻れた黒い塊となった世界。その中でなぜか人を殺したものだけがそのままの姿で取り残されていた…。
内容説明
あらゆる人間が一瞬にして黒い塊となった世界。ヒトのままの姿で取り残された者の共通点は●●●だった…。崩壊していく日常の中で残された者が選ぶ選択とは?新進気鋭の作家が挑む衝撃のディストピア小説!
著者等紹介
阿川せんり[アガワセンリ]
1988年、北海道生まれ。北海道大学文学部卒業。2015年『厭世マニュアル』で第6回野性時代フロンティア文学賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちーたん
94
★★★★☆初読み作家さんのSF連作短編10話。これは漫画にしたら結構化ける予感がするダークな悪趣味世界。突如人間は【ぐずぐずの黒い塊】になリ下がる。生きているのは動物とある共通点を持った人間のみ。その共通点は『人○し』(公式伏せられてるけどこれ伏せちゃうと世界観伝わらない💦)ライフラインも止まった世界で残された者達は何を思うのか?◆カタルシスは得られない作品だけど、いろんな角度の生存者の背景や考えが描かれ、やった過ちに1ミリも共感は出来ないけど、ある感情には共感で号泣🐶。著者の参考文献の多さにも感服!2020/07/26
ままこ
92
突然人間がぐずぐずと圧縮され奇妙な黒い塊になった。変異しなかった者達にはある共通点が…。視点を変えながら話は進む。胸糞悪くなったり、やるせなくなったり…。タイトルも皮肉なディストピア。情け容赦ない展開で後味はめちゃくちゃ悪いけど、テーマは重く読み応えはズシっとあった。2020/07/29
ゆのん
71
【NetGalley】ある日突然、人類が『黒いぐずぐず』の物体になってしまう。ライフラインも全て止まってしまう。その中で人間のままで生存している数人の物語。生き残りの共通点は『殺人者』という事らしい…。タイトルの『パライゾ』はキリシタン用語で『天国』『楽園』『パラダイス』という意味。誰にとっての『楽園』なんだろう…。黒い物体になった方も人間のまま生存している方にも悲惨な状況にしか感じなかった。1042020/04/28
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
68
87/100点 初読みの作家さん。ある日人類は得体の知れない物になってしまい、人を殺したことのある者だけが生き残ってしまった世界を描いた10編の連作短編集。一言で言ってめちゃくちゃ面白かった!人類滅亡後の生き残った者たちの物語ということで、自分は生き残った者たち同士で争いや確執がある中で生き残っていく姿を描いたような話しかなと思っていたのですが、全然違って、そこには希望も未来も何も無いもっと刹那的な物語たちでした。読んでいてただただ切なさが感じられましたが、嫌な読後感ではありませんでした。2020/06/19
さっこ
54
人間が黒い塊に変化してしまい日常が崩壊していく。水道や電気などが止まってしまった世界で人間の形の生き残っている人たちにはある共通点があった。終末感の漂う作品。パニック作品というより生き残った人たちの後悔と、罪を償う気持ちなどがメインに描かれていました。少し読むのに疲れたかな。天国や楽園といった意味の表題が効いていました。2020/06/27
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- 和書
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