内容説明
坂本壮馬は、生き方を探して兄・栄達が宮司を務める源神社で働いている。一緒に神社で起こるトラブルを解決してきた「名探偵」の美少女巫女・久遠雫に想いをよせるが、いつもクールで感情の見えない雫の心はわからない。雫につきまとう謎の男・上水流や、壮馬の元カノ・佳奈が絡み、壮馬と雫の関係は渾沌としていく。謎やお悩みを鮮やかに解決する雫と壮馬のコンビだが、二人の恋の行方は、神さまにもわからない?
著者等紹介
天祢涼[アマネリョウ]
1978年生まれ。『キョウカンカク』で第43回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。2012年『葬式組曲』が「本格ミステリ・ベスト10」2013年版で第7位になり、2013年に第13回本格ミステリ大賞の候補、同書収録の「父の葬式」が第66回日本推理作家協会賞(短編部門)の候補に選ばれた。2017年刊行『希望が死んだ夜に』は文庫化されロングセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
56
神社のお仕事日常ミステリー第二弾。神社や神道関連の小ネタを挟み込みながら可愛いツンデレ系の女子高生巫女が謎を解いていくという、これぞ王道、萌え要素満載でおっさんが読むのは気恥ずかしいほど(笑) が、ミステリーとしての骨格はまともだし、何より壮馬と雫の拗れっぷりが面白い。前作のラストでもほほぉ~と唸ったが、今度はそう来たか。こういう拗れ方はあまり見たり聞いたり読んだりした記憶がないなぁ。こりゃもうこの2人、次はどういう拗れ方をするのか、楽しみで仕方ない(笑) シリアスなのも書いて欲しいけどこれはこれで(笑)2020/02/27
雅
55
主人公とヒロインの感情が乏しいせいか淡々とした雰囲気はあるけど、神社の業務や伝統について知る事が出来た。兄夫婦のインパクトが強烈。2020/04/17
よっち
47
雫を姉の死の呪縛から解き放つために、皮肉にも彼女に嘘をつくことになってしまった壮馬。そんな悩ましい状況でかつて付き合っていた先輩・遠野佳奈と再会する第二弾。佳奈に誘われ臨時に講師を務めた学習塾の生徒が辞めたいと言い出した理由。神社に一緒にやってきた父親に不安を抱える娘、勝手に彼のフィギュアを燃やそうとした理由、一連の事件の先に見えてきたとある思惑。存在感のある兄夫婦や新キャラも絡んで、ものの見事にドツボにハマった二人の関係ですが、今一歩踏み込めない壮馬と自覚のない雫の関係はどういう形で決着するかですねえ。2020/04/02
雪紫
35
前作のその後の話なので結構ネタバレ。相変わらずの日常の謎が繋がりを見せてるけど、わりとおとなしめ(1話の真相はぞわっとさせられたことは同じだけど)?。しかし、けしかけられ、バラされても、進展してないようでこの引きは不穏。・・・続き考えてるよなこれは。2020/11/05
horihori【レビューがたまって追っつかない】
29
続編。「おやめになるなら、その前に」元カノの塾生の悩みを解決「「子の心親知らず」ですか?」不穏な崇敬者親子「フィギュアのご慰霊は難しく…」プレミアのつくフィギュアを慰霊した本当の訳「たとえ、あなたがいなくても」上水流さんの正体と2人の恋の行方。今回は2人が解決するトラブルに毎回関わる壮馬の元カレ佳奈や、雫に舞いを踊るように迫る雅楽師上水流。何かと絡んでくる2人には、実は雫に関する思惑があって、2人の恋の行方は、次に持ち越し…。季節外れのストーリーだけれど、神社のトリビアが楽しめた。 2020/12/17