出版社内容情報
1話たった5分であなたを未知の世界に連れてってくれる。次世代ショートショートの旗手が送る、極上のショートショート集第二弾。
内容説明
緊張の入社当日、初めて挨拶した上司は生まれたときから一寸、つまり三センチほどしかなく!?―一寸上司(一寸法師)。おばあさんが川で拾ったノートパソコンの桃のロゴから生まれた女の子は、情報工学の天才児で!?―ロゴから生まれた(桃太郎)。わらしべエージェンシー(わらしべ長者)、鬼の救い(こぶとり爺さん)など全12編収録。現代ショートショートの旗手による、魅惑のショートショート第2弾!
著者等紹介
田丸雅智[タマルマサトモ]
1987年、愛媛県生まれ。東京大学工学部、同大学院工学系研究科卒。2011年、『物語のルミナリエ』に「桜」が掲載され作家デビュー。’12年、樹立社ショートショートコンテストで「海酒」が最優秀賞受賞。「海酒」は、ピース・又吉直樹主演により短編映画化され、カンヌ国際映画祭などで上映された。「坊っちゃん文学賞」や、自らが発起人となり立ち上がった「ショートショート大賞」において審査員長を務め、また、全国各地でショートショートの書き方講座を開催するなど、現代ショートショートの旗手として幅広く活動している。17年には400字作品の投稿サイト「ショートショートガーデン」を立ち上げ、さらなる普及に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
105
おとぎ話シリーズ日本昔ばなし編。12の昔話をアレンジした奇妙でシュールなショートショート。「一寸上司」願い事が(苦笑)「鬼の救い」切ない。「将門の呪い」シュールな本末転倒。「水玉ころりん」思いもよらぬ結末に。「ピン」ピントのずれた恩返しだったけど…伏線がしっかり効いてるいい話。印象に残ったのは天才少女の「ロゴから生まれた」と大切な役目「桜守り」で不穏さはあったけど温かみのある読後感で良かった。2020/03/04
寂しがり屋の狼さん
99
一寸法師のように身体も小さいが器も小さい上司、笠地蔵のようにお礼をするボーリングのビンなど、日本の昔話をモチーフにした短編集📕隙間時間に気軽に読める一冊。個人的には、もう少し原作に寄せても良いかなと(◕ᴗ◕✿)他のシリーズもあるようなので読んでみようかな2021/09/10
タイ子
81
日本昔ばなし編もなかなか面白い!海外編と違って日本の昔話は人間の業とか欲がどこかに見え隠れしてて、良い人のまねを悪い人がしてアチャっ!てなる。これが日本昔ばなしの特徴。で、この本も12の昔話に則って現代風にアレンジ。よくまぁ、思いついたなぁと感心。「一寸法師」は一寸の背丈しかない部長が打ち出の小槌を手に入れ何を望んだか?コケた!「わらしべ長者」と「平将門」の話が好き。トンでもないお話が読みたい方はどーぞ。続編希望です。2020/08/12
ダミアン4号
72
誰もが知る日本の昔話をモチーフにしたクスッと笑えてちょっとブラックな短編12編。面白いお話ばかりでベストを選ぶのは非常に難しいのですが『一寸上司(一寸法師)』『ロゴから生まれた桃太郎』『鬼の救い(こぶとり爺さん)』『百中の射手(那須与一)』がお気に入り。部下の手柄を自分の功績にしちゃう嫌な上司…いるいる!と呟きながら、でもその上司が一寸法師だったら?と想像すると…なんか笑える「ちっさ!」という部下の呟きが最高(笑)社長賞の副賞で手に入れた“うちでの小槌”で望んだものがまさかの!こういうオチ、凄く好み(笑)2020/04/01
さっこ
67
日本のおとぎ話を現代にアレンジしたショート短編集。なじみ深いお話を、現代に違和感なく置き換えて楽しかったです。ふわっとしたりブラックだったり様々な味わいのある作品でした。2020/11/15