出版社内容情報
実話を元に、恵まれない環境から、もがき、苦しみ、道を外していく女性の半生を克明に描いた、著者の本領発揮の社会派ノベル。
内容説明
多額の借金を抱える看護師の小河恵。キャバクラでも働くなど返済のため奔走していたが、同僚の看護師・鹿沼好江に誘われて“社長”のホームパーティーに行き、“社長”に借金の肩代わりをしてもらい、イラン人・トニーから求愛され、好江たちと豪華な海外旅行を繰り返すなど生活が一変。恵は、好江がマレーシア=成田間で“荷物”を運ぶバイトをしていることを知り、好江の不在時に彼女の息子・純の面倒をみるようになるが―。東北の小さな町出身の日本人女性が、アメリカ同時多発テロ以降の国際犯罪組織に巻き込まれ、異国で死刑判決を受けたのはなぜか?!骨太社会派エンタテイメント小説の誕生!
著者等紹介
石井光太[イシイコウタ]
1977年東京生まれ。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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モルク
108
クアラルンプールの空港で覚醒剤密輸容疑で逮捕され死刑判決を受けた恵。彼女の不幸な生い立ちと次々と起こる負の連鎖。死刑囚である彼女を最高裁裁判において救おうとする元同級生で新聞記者の幸介は奔走する。そして次第に明らかとなる真実。不幸と不運の続きであった恵の恋と求めた幸せ。しかしそれは更なる不幸の入り口だった。実際の事件をモチーフとしたフィクションではあるが、このような落とし穴には絶対に落ちないとは言い切れない。彼女が守ろうとした少年純に救われる恵。一筋の光明が見えた。2020/05/30
ゆみねこ
92
不幸な生い立ちながら、准看護師として都会の片隅で生きてきた小河恵。多額の借金のためキャバクラで働きながら返済に奔走していた恵を陥れた荷物の運び屋のアルバイト。マレーシアで逮捕され、死刑判決を受けた恵を救うために一人の記者が事件を調べ始める。まるでノンフィクションを読んでいるようなリアルさ、面白くて一気読み。2020/04/19
ちゃとら
75
【図書館本】石井光太、これはフィクション⁈マレーシアの空港で不審な荷物を持った恵が逮捕、バッグの底には覚醒剤が、そして恵には死刑判決が下る。海外旅行で必ず記載を求められる書類に「知らない人から荷物を預かりませんでしたか?」いつも、ある訳ないじゃん😅と思っていたが日本ボケ⁇国際犯罪はあるのですね。そして、恵の恋人として登場するイラン人、この人は必要⁈謎すぎたが、イラン等の国際情勢を伝えるためには重要なキャストだった。旅行会話しかできない私は、トラブルに立ち向かう会話ができない😱やはり海外は慎重に‼️2021/08/08
キムチ
75
2012年、それは発覚した。クアラルンプールの空港、メタンフェミン、話そうとしない女。ここでイメージは固まる。負の連鎖、運命の濁流に押し流されて行く女、そこに巣食うのは男ども セックスと金。国際舞台を股にかけた縮図、図式は万国共通か。あっという間に読めるクリアーな文体ながら、これはフィクション。確かに読ませるが、筆者の鋭い切り込みが光るフィクション物が私は好き。新聞記者が狂言回しとなって語られる設定。最後に、犯罪のグローバル化を語る。田舎のぽっと出が世界情勢の渦にいともたやすく巻き込まれる闇が薄気味悪い 2020/02/06
nonpono
74
読みながら、うすら寒かった。わたしも若い時分にインドを旅していたときに、飛行場でインド人の一家から荷物が容量を超過しているので、代わりに持ってくれないかと請われた。迷ったが断った。だけど、もしもその荷物に何かが隠されていたら、と振り方えれば怖い。確かに、いつも空港での日本人の女子に対する検査は軽かったのだ。「運び屋」の日本人看護師が捕まり死刑判決を受けたニュースは、現実でも見た。今で言う国際ロマンス詐欺的要素もあったのかな。「あなたは優しすぎるからだまされる」という主人公の友人の言葉がむなしくも重く響く。2023/07/21




