緋い川

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緋い川

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784334912956
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

明治三十三年、東北地方の山間集落・触別村の猩紅川に、双頭の犬と猫足の猿という異形な動物の死体が流れてくる。その数か月後、バラバラにされた人間の死体も流れてきて、村に不穏な空気が立ち込める。同じころ、東京で新人医師として働く衛藤真道は、医科大学時代の恩師・岡に勧められ、触別の鉱山病院へ赴任することに。そこには優秀な医師・殿村がいた。しかし、愛想なく対応され、真道は歓迎されていないのを感じる。貧困と医療の限界に悩みながら、助けられない命と向き合う真道。村に馴染んできたころ、秋祭りの最中、猩紅川にまたしても人間の腕と足が流れてきて…。明治時代の山間集落で起きた猟奇的殺人事件。鉱山で働く囚人たちの不穏な動き。若き医師が辿り着いた哀しい真実。

著者等紹介

大村友貴美[オオムラユキミ]
1965年岩手県生まれ。中央大学文学部卒業。2007年『首挽村の殺人』で第27回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゆみねこ

71
明治33年、宮城県の山間部にある鉱山病院に赴任した新任医師の衛藤真道。異形の動物やバラバラにされた人間の死体が川に流されるという不穏な事件、優秀だが無愛想な先輩医師の殿村。鉱山労働者の過酷な労働環境、医師としての使命とは?真犯人の動機も哀しいけれど衛藤の成長譚として救いのあるラストに。2019/08/25

むつこ

28
横溝正史賞を受賞した作家さんらしくオドロオドロしさは健在。明治の時代、鉱山の村の病院に赴任した若い外科医が主人公のお話。過酷な労働に、川から流れてきた猟奇的な死体たちに、あの時代ならあり得るだろうなとリアルさを感じた。2020/03/07

あっちゃん

26
時は明治、山間の集落に赴任して来た若い医師がバラバラ死体、不穏な噂に巻き込まれ事件を調べて行くレトロ感溢れる作品(笑)横溝正史的かと思ったけど、どちらかというと医学に重きを置いた展開に、ソレはソレで良い( ̄▽ ̄)2020/10/03

菜の花畑

24
明治33年。若き外科医衛藤真道は、身近な医療を学ぶため宮城県北部の鉱山病院に赴任した。そこには赤鉄鉱が採掘される赤い川も流れていた。その村には四つ目の獣を見たとか、人が解体されて流れて来たとか恐ろしい話もあった。近代工業の象徴のような鉱山も人権侵害や労働争議、公害など問題が山積していたようだ。そんな中で御者が殺され川に流された。人々の診察をしながら、真相の究明に挑む真道。犯人に該当する人物がとにかく少ないため、大体行き着く。時代の喧騒やら、生き抜く為の必死さが伝わってきた。2020/07/28

rosetta

17
★★★✮☆明治33年、上野から鉄道で15時間更に馬車で2時間という、宮城県の鉱山村。主人公はここの鉱山病院に赴任する。この村では近年怪し気な事件現象が続いていた。村外からも人の集まる祭りの日に村を流れる赤い川に人のバラバラになった人の身体が流れてきた…まだまだ人権意識の低い時代ゆえ、労働と搾取、男女の価値観、医療の限界等の問題が提起され中々興味深い読書になった。ホラーかオカルトかと思ったらしっかりミステリー2019/08/15

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