出版社内容情報
日本ホラー小説大賞を受賞したデビュー作『来る』の映画化で注目を集めるホラー小説界待望のニュースターによる初の短編集。
内容説明
デビュー作『ぼぎわんが、来る』で話題を攫ったホラー小説界期待の俊英が、恐怖と異形、人間心理の暗部にこだわりぬいて紡いた八編。
著者等紹介
澤村伊智[サワムライチ]
1979年、大阪府生まれ。2015年、『ぼぎわんが、来る』で第22回日本ホラー小説大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
406
澤村 伊智は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。著者初の短編集、著者は、長編よりも短編の方が向いているかも知れません。オススメは、『闇の花園』&『宮本くんの手』です(怖)2019/03/09
しんたろー
298
2016~2018年に色々な雑誌で掲載された作品を集めた8つの短編集…澤村さんが様々な手法でゾッとする話にアプローチする姿勢が伝わってきた。だが、同じ短編集『などらきの首』ほどのハイクオリティではなかった。それは、澤村さんに対しての期待値が高い私のせいでもある。とは言え、常識のズレを抉った表題作、現代の日常を裏返した『ありふれた映像』の2作はそのまま『世にも奇妙な物語』で映像化できそうだし『闇の花園』と『死神』は得体の知れないおぞましさを巧く表現していてgood!でも、そろそろ、比嘉姉妹の長編も読みたい♪2019/04/01
nobby
204
表題作「ひとんち」最後の「……ミイくん」にゾクッとさせられた勢いのまま、あっという間に読み切る8編。その内容は風習や蒐集家たるこだわり、不幸の手紙など多岐にわたり、伝承的・魍魎系・ファンタジー風といろんなホラーを楽しめる。少なからず自分と重なる事柄にニンマリ苦笑しながら、おおかた予想と外れずにドキドキ読ませて終盤感じさせる不吉がたまらない!最もインパクトあるのは後半ドーン、ドーンともしかしての衝撃繰り返す「ひとんち」。「シュマシラ」での止まらない探索も好みだが、何気に人間界を危ぶむ「闇の花園」も侮れない。2019/05/24
absinthe
193
怖い8篇つまった短編集。どれも夢中で読んだが特によかったのが『しゅましら』と『死神』。そこの角を曲がるともう異世界。普段住んでいる身近な世間とあの世のシームレス感が良い。だんだん薄気味悪くなってくる、怪異を直接に見せないチラ見せで、良い(悪い?)雰囲気を盛り上げてくれる。暑い日が続く今ちょうどよい本。2021/08/14
KAZOO
173
最近、新作が出ると読ませてもらっている作家さんの作品です。8つの話がおさめられている短篇集ですが、それぞれ長編にできるような気もしました。表題作や最後の表題作に対するような題名でのはなしが印象に残りました。他の方も書かれていますが三津田信三さんの作品をもう少しやわらかくした感じがあります。夏の暑いときに少し涼しさを感じさせてくれ楽しませてもらいました。2019/08/07