真犯人の貌(かお)―川口事件調査報告書

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  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784334912437
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報



前川裕[マエカワ ユタカ]
著・文・その他

内容説明

教師夫婦が謎の失踪を遂げた「川口事件」。ジャーナリストの杉山康平は、事件の翌年、容疑者の無罪が確定したことに疑いを抱き、取材を始める。辣腕弁護士の妨害に悩まされながら証言を集める杉山だったが、関係者の多くが、重要な部分で口を閉ざしてしまう。一体彼らは、誰を恐れ、何を隠しているのか?狡猾に隠蔽された真犯人の貌に肉薄する、執念のフェイク・ドキュメント。

著者等紹介

前川裕[マエカワユタカ]
1951年東京生まれ。一橋大学法学部卒。東京大学大学院(比較文学比較文化専門課程)修了。現在、法政大学国際文化学部教授。専門は比較文学、アメリカ文学。2012年、『クリーピー』で第15回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。同作は2016年、黒沢清監督によって映画化され、多くの話題を集めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

97
高校教師夫婦が部屋に大量の血痕を残し行方不明となった死体なき殺人事件の川口事件。兄が逮捕されるも無罪が確定していた。この事件の真相を追うジャーナリスト杉山。混沌とするなかルボルタージュ風に進む。関係者が次々と死んでいくなか、全ての人と繋がる人物が…。人格者のあいつが…中盤で真犯人は予想がつき、後半になるとトーンダウン。執着も、そこまでする理由がわからず、最後までもやもやした。2023/08/19

ゆみねこ

88
ノンフィクションを読んだかのような読後感です。事件を追うジャーナリストや真相を隠している人々。一見普通に見える人の狂気が気持ち悪い。2019/04/05

いたろう

64
多量の血痕を残して、行方不明となった夫婦。殺人の容疑者として逮捕された兄・達也は、裁判の末、証拠不十分で無罪となったが・・・。達也は本当に無罪なのか。真犯人は他にいるのか。この小説で、探偵の役どころを務めるのは、事件の真相を探るジャーナリストの杉山。やがて、杉山の調査によって、意外な話が浮かび上がって来るが、ことは真相に迫ったようでいて、全ては疑惑のまま、ミステリの謎解きとしては、最後まですっきりしない。そもそも、家に他の家族がいたというのに、これだけの流血騒動に気づかなかったというのは、どうなのだろう。2019/04/03

巨峰

58
面白くないことはない。教師夫婦失踪冤罪事件を追うジャーナリスト。死体なき殺人、嫉妬に羨望、意外によこしまな妻、表面的な人権派弁護士。しかし、二人も殺された現場や、運搬に使われた車から事件の痕跡を完全に消すのは難しくないか?(車はとってつけたように最後にちょこっと書いてあったけど、編集さんに言われてあわてて付け加えたみたいな気がするなあ)2021/08/18

hushi亜子

53
本を読んでるのか、ジャーナリストの手記を読んでいるのか。 架空の川口事件というものを追ったもの。 家族一同が集まった家で、弟夫婦が こつぜんと消えた。 兄は関わっているのか…。 事件の概要は興味深いものだったし、関係者がどんどん増えていくのもなかなか。 中でも善人と思われていた人が黒幕だったんじゃないかという追及。 その善人は本当に気持ち悪い人間だった。 でも、いつものような前川作品の方が私は好みです。2018/10/15

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