出版社内容情報
石持浅海[イシモチ アサミ]
内容説明
赤垣真穂は学生時代のサークル仲間の結婚式の二次会に招かれた。その翌日、仲間の一人が死体となって発見される。これは、三年前にあった“事件”の復讐なのか!?真穂は叔父から「鎮憎師」なる人物を紹介される…。奇想の作家が生み出した“鎮憎師”という新たなる存在。彼は哀しき事件の真相を見極め、憎しみの炎を消すことができるのか―。
著者等紹介
石持浅海[イシモチアサミ]
1966年愛媛県生まれ。九州大学理学部卒。’97年、鮎川哲也編『本格推理11』に「暗い箱の中で」が初掲載。2002年『アイルランドの薔薇』でカッパ・ノベルスの新人発掘プロジェクト「KAPPA‐ONE」より本格デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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🐾Yoko Omoto🐾
159
大学のサークル内メンバーで起きた無理心中未遂事件から三年。皆の心中に苦く複雑な思いを残しながらも、一組のカップルが晴れて結婚式を迎えた。そして当日、事件以来の再会を喜んだのも束の間、当事者であった夏蓮が絞殺体となって発見される。メンバー内に存在するであろう犯人を、心理に基づく行動を軸に議論と推論を重ね炙り出す展開は「セリヌンティウス」を彷彿とさせ、鎮憎師と呼ばれる人物が事件のオブザーバー的役割を果たす構図は「座間味くんシリーズ」に近い印象。推論を積み上げ消去法で真相に近付く解明方法は不確実な➡(続)2017/06/18
ダイ@2019.11.2~一時休止
132
復讐の連鎖を止める鎮憎師。なんかややこしくしただけのような気が・・・。ちなみに序章は本編には関係ない復讐の連鎖の様子を示しただけ?。マイノリティがこれだけ多いともはや少数派っていえなくない?。2017/05/09
いつでも母さん
121
最早一般社会で、どんな理由で殺し殺されてしまうのか・・そんな時代が来たのかもしれないなぁと。復讐が復讐を呼ぶんだ。そこでの『鎮憎師』初めて聞いた言葉だけれど、実際にいるのかしらん?まさかね?いてくれたなら事件が少しは減る?本来は人の心の根底にあるはずなのにね・・それにしても私は犯人捜しに向かないタイプだ。最後まで全然わからなかった(汗)気になって一気に読んでしまったじゃないですか!2017/06/03
yanae
101
最近またはまっている石持さん。今回の鎮憎師は文字通り「憎しみを鎮める」人のことで、復讐の連鎖をたちきることを目的として事件を調べる人のこと。物語序盤は事件の概要で、どの人が鎮憎師なのかわからなくて、探り探りだったけど、中盤で登場してなるほどーという感じ。犯人じゃなくて復習しそうな人をマークして行動を事前に止めるという視点がユニークで面白かった。最終的には犯人もわかってスッキリ。鎮憎師くん、これからも活躍するのかな?楽しみです。2017/06/26
みかん🍊
94
大学時代のサークルのOB、OG同士の結婚の二次会に現れた女性が殺された、三次会に流れた仲間の中に犯人が居る。鎮憎師とは憎しみを鎮め復讐の連鎖を防ぐ者、誰が犯人のか疑心暗鬼の中、心理行動や状況証拠から犯人を探っていく、殺されたのも仲間、犯人も仲間、誰が犯人だとしても辛い、事件についてあれこれ検証し推理していく過程、誰が犯人が最後まで分からないミステリーは面白く読めたが、関係性がマイノリティだったり、今は実際理解不能な事で殺人が起こるとはいえそんな事で簡単に殺人を犯すのか。2017/05/24