内容説明
2024年、欧州での新型コロナウイルス感染爆発により、夏季五輪は再び東京で開催される。しかし、五輪提供馬の審査会で突如、馬を狂暴化させる「新型馬インフルエンザ」が発生。ウイルスはどこから来たのか。五輪は無事に開催できるのか。波乱の始まりは前回東京五輪での隠蔽だった!連鎖するカタストロフィに、若手獣医師・一ノ瀬駿美は毅然と立ち向かう。第24回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。
著者等紹介
茜灯里[アカネアカリ]
作家・科学ジャーナリスト。東京大学理学部地球惑星物理学科、農学部獣医学課程卒。東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻博士課程修了。博士(理学)、獣医師。全国紙記者、国際馬術連盟登録獣医師などを経て、現在、大学等で教壇に立つ。『馬疫』が第24回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞し、小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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W-G
287
刊行のタイミングが作品にとって強力な追い風になっていたと思われ、それ抜きで読むと、いまいち起伏がなく、突拍子もない展開に青さが見え隠れしてしまう。全体の三分の二が馬インフルエンザの感染経路の探索だけで、溜めて溜めてアウトブレイク後に一気にテンション上がってくるならよかったのに、いよいよ人に感染が及んでも、それまで通りの研究所模様が続き、緩急をつけきれなかった印象。中途半端に人為的なパンデミックの要素も入れ込んで、その部分が少し物語から浮いてしまった点もマイナス。このジャンルもかなり掘りつくされてきた。2024/05/06
はるじん♪
1
現実とフィクションが交錯する。2,024年1月、日本で新型の馬インフルエンザが発症する。パリオリンピックがコロナのため開催できず、東京で続けて開催されることになっているというのに。更にヘンドラ・ウイルスまでも。馬の命と人の命を守るためにどうすればいいのか。獣医師の駿美(としみ)が奮闘する。次々にどんでん返しがあり、最後まで気を抜けない。2023/05/14