内容説明
保育士の佐藤理々は、二十二歳のときにできた初めての子を死産した。名前を彩葉と決め、夫と誕生を心待ちにしていた女の子。あのとき転んだせいではないか。自分を責めずにいられなかった。七年後、理々は「死んだ人に会える」食堂へと向かっていた。一度も胸に抱くことができなかった我が子に会うために―。温かい感動が胸に迫る、好評シリーズ待望の第六弾。
著者等紹介
高橋由太[タカハシユタ]
1972年千葉県生まれ。2010年、第8回「このミステリーがすごい!」大賞隠し玉として『もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ』(宝島社文庫)でデビュー。多くの時代小説の人気シリーズ作品を執筆している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
39
ずいぶん久しぶりのシリーズでしたが、亡くなった人に会える「ちびねこ亭」には4人の人が訪れました。おばあちゃんと猫の玉に会いに孫の勇気が、待望の初産が死産だったりりが、産まれるはずだった彩葉に、天才ピアニストと言われた一花が、コンクールに出場も出来なくなった時、ピアノが好きだった祖父に、芸能事務所会長の出水が、結婚できずに行方不明になった花村麻衣子とその娘に。全てが亡き人々なので、どうしても涙無くして読めませんでした。今は・・仄々とした物語で癒されたい心境なので、辛かったです。2024/07/29
ぽろん
36
このシリーズ、分かっちゃいるけど、毎回泣かされる。どの話も、大切な人に逢えて本当に良かった〜。2023/02/12
よっしー
27
話の展開としては毎度同じなのですが…そうと分かっていながらも毎度涙を流してしまうこの不思議。不思議な魅力のあるシリーズです。大切な人と会えて、言葉を交わせるというのは素敵ですが、「今」という時間を大切にして、お互いに生きているうちに後悔しないように言葉を交わさないといけないんだろうなと考えていました。にしても、二人の距離は縮まってるのでしょうか…。2023/07/04
Mie Tange
20
シリーズ6作目。 すごくいい話なのは、そうなんだけど… 印象に残るような話は減ってきてるような… 気もしなくもない(笑) "からす猫~"の昔話のなかで 三人家族のはずなのに "二人の暮らす家から鉄工所まで~"という 間違いがありモヤモヤした。 "鉄工所から二人の待つ家まで~"でしょ(´・ω・)?2023/04/29
小梅さん。
19
大事な誰かの死に、自分に責めがあると感じるのは、本当に辛い。 ちびねこ亭を訪れた彼らの心が、少しでも安らぐことを願ってやまない。その時は救われた気がしても、やがて、それが自分に都合のいい幻だったのでは、なんて思わないですみますように、と。 さて、橋本少年、今後も登場するかな。なんだか毎回探してしまいそう。 2023/01/11