内容説明
一級建築士で探偵の蜘蛛手啓司は、相棒の宮村達也からある事件の記録を渡される。名門大学演劇部の劇団員たちが、夏合宿中、一夜にして首なし白骨死体と化した衝撃的な事件。その詳細な記録が、連続窃盗犯の所持品から見つかったのだ。犯人と目される人物の遺体も発見され、事件は一応の決着を見ていたのだが―。本格界の鬼才が剛腕から放つ前代未聞のトリック!
著者等紹介
門前典之[モンゼンノリユキ]
2001年に「建築屍材」で第11回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちょろこ
127
納得感の一冊。ずっと奥歯にものが挟まったような感覚だった。それも小さな小さなものが。探偵 蜘蛛手の元に持ち込まれた過去のとある事件。その不可解な謎を紐解くミステリは、ある時点で小さな違和感、ひっかかりを感じつつも、とりあえず読むしかない状態にさせられた面白さ。ついにその小さなものの正体が判明した時の瞬間と言ったら、スッキリ爽快!の一言。しかもそのたった一つが次なるひっかかりを、また次をとどんどんほどいていく組み立てにはひたすら驚きと納得感でいっぱい。そしてタイトルにも納得、オチには心臓がぎゅっと縮む思い。2023/05/13
えにくす
107
''最凶の殺人鬼現る''大学の演劇部一行が鶴扇閣で合宿。そこで全員が殺された。その過去の事件を探偵蜘蛛手が、報告書を基に推理する。一方で謎のタクシー拉致事件が、平衡して描かれる。この二つの事件の関連は?やがてある人物により真相が暴かれる。だがその時点でまだ3分の1残っているから変だな思ったら、そこからの展開が凄かった!恐るべき殺人マシーン、遂に覚醒。こんなの相手に勝てるのか。現在と過去を行き来しながら、最後までドキハラの手に汗握る物語だ。果たして史上最悪の殺戮マシーンを、捕まえる事が出来るのか?★4.32024/01/30
雪紫
89
あれ、ペース早い?門前さんの新作長編はまさかの文庫(書き下ろし)。表紙やタイトルがいかにも青春ミステリ的さわやかだけどあの門前さんですよ。現場は燃やされ遺体はみな白骨化されるまで焼かれてるんですよ。読んでいて疑った部分は正解だったけどそんなの見破れて当然と言わんばかりに、斜め上な展開と邪悪が襲いまくる(あれ、前作の秘書はもう出番なし?)!いや、門前さん本当に盛り過ぎだよ!別の意味でぶっ飛んでるよ!!最後と本を閉じて表紙見て声に出す。ひえええええ。2023/03/04
タイ子
86
奥歯にモノが挟まった状態、とは読友さんのレビューだがまさしくと思いながら読む。探偵事務所が手にしたある事件の記録。それはすぐには納得のいかない不可思議な内容。そこから2つのストーリーが交互に展開していく。大学演劇部の夏季合宿が行われた館。道路が決壊、孤立状態の者たち、そこで起こる連続殺人事件、ミステリあるあるですね。中に挟まるもう一つの話はタクシーに拉致される女性の話。何がどうなってる?これが歯がゆい、めっちゃイラつく。登場人物もややこし…。だが、全てが伏線。イラつき解消の後のドキドキはどうしてくれる?!2023/05/18
yukaring
81
「焼け落ちた洋館に並ぶ首なしの白骨死体」「不気味なタクシーに拉致された女性」この二つの不可解で奇妙な事件に引き込まれるうちに、作者の巧みなミスリードにすっかり騙されてしまうトリッキーな1冊。過去の事件と現在がジワジワとリンクする鮮やかな展開と最後に明かされる驚きの真相。合宿地として使われている古い洋館「鶴扇閣」で大学生が殺され放火された謎の事件。この事件の記録から探偵が暴き出す密室トリックには驚くと同時にワクワクしてしまう。最後にタイトルに込められた意味を真に理解した時の衝撃には思わずのけぞってしまった。2023/04/15
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