内容説明
守護である土岐頼芸を討たんとする蝮の異名をもつ斎藤道三。そのもとに土岐一族の重鎮の首を持参したという十兵衛なる侍が現れるのだが…。秘められた因縁に驚愕必至の「因果の籤」ほか、毛利元就、竹中半兵衛ら名だたる軍師たちの運命を決定づけた二十四時間。応仁の乱から関ヶ原の合戦へ―戦乱の時代を貫く因果を、大胆な歴史解釈と緻密な構成で活写する全八編!
著者等紹介
木下昌輝[キノシタマサキ]
1974年奈良県生まれ。近畿大学理工学部建築学科卒業。2012年「宇喜多の捨て嫁」で第92回オール讀物新人賞を受賞しデビュー。同作が収録された単行本『宇喜多の捨て嫁』は直木賞候補となり、高校生直木賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞、舟橋聖一文学賞、咲くやこの花賞を受賞。さらに、『天下一の軽口男』で大阪ほんま本大賞、『絵金、闇を塗る』で野村胡堂文学賞、『まむし三代記』で日本歴史時代作家協会賞作品賞、中山義秀文学賞を受賞している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けやき
45
戦国時代を生きた人物の人生の転換期の始まりの24時間を描く。足利義政、斎藤道三、毛利元就、竹中半兵衛、島津義弘、長宗我部盛親。全体を通して戦国時代の始まりから終わりまでの一本のストーリーともなっている。2022/12/15
Die-Go
41
図書館本。戦国の時代に起きた事件を刻一刻と流れる刻を軸に描く。それぞれの事件に刻に応じた流れるような物語があり、テレビドラマ『24』を想起させる。表現が今一つ幼いところを覗けば上作。★★★☆☆2023/02/24
10$の恋
37
下剋上の戦国時代_。今に名を残す史実の「ここぞ」の十二刻(24時間)を凝縮した短編8話は、時勢がドリフトする始まりを現す。応仁の乱から桜田門外の変までの約400年間で、鍵になった瞬間の其々を往復しながら因果を繋ぐ。面白い構成だ。屈辱・雪辱・野望・裏切り・矜持…武将のあらゆる情動を網羅しながら歴史は蛇行する。一休和尚、足利将軍、斎藤道三、明智光秀…これはほんの一部、有名武将と重大局面が目白押し。斬新な切り口で織り成す各話はメビウスの輪の如く、過去へ未来へと読者を揺さぶり引き込む。栄枯盛衰の瞬間を味わえた。2024/01/23
Atsushi Kobayashi
22
始まりのときと言いつつ、負けるところが多いのはなぜでしょうね。。2024/04/25
河内 タッキー
12
明智光秀はなぜ織田信長に謀反を起こしたのか、光秀の前半生は謎に包まれている。そこに独自の解釈を加え、全く違った本能寺を創り上げた。また竹中半兵衛の稲葉山城乗っ取り、島津義弘の惟新の退き口など全く異なる解釈で、これにも驚かされた。2023/01/17