出版社内容情報
麻宮ゆり子[マミヤ ユリコ]
著・文・その他
内容説明
住宅メーカーの総務部長を務め、土曜夜は会社に内緒の別の顔を持つ水元闘子。宅配便のドライバーをしている元ソフトボール選手の榎本千晴。鋭敏過ぎる感覚を持ち、ドイツパン作りに情熱を燃やす石井日和。女と逃げた夫の小さな清掃会社を育て上げた会沢ひと美。仕事の悩みや将来への不安に揺れる四人の女たちが踏み出す一歩。読めばすっと心が軽くなる連作短編集!
著者等紹介
麻宮ゆり子[マミヤユリコ]
1976年埼玉県生まれ。大学非常勤講師。2003年小林ゆり名義にて第19回太宰治賞受賞。’13年、「敬語で旅する四人の男」で第7回小説宝石新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
162
『敬語で旅する四人の男』の斎木やアルエが登場。『敬語で旅する四人の男』の斎木が登場することで、延長線のようであるが、女性を主人公に代えて別物の連作短編になるのかな。『敬語で旅する四人の男』を読んでいれば、斎木のことが理解できて、面白さが増すと思うけど、読まなくても大丈夫な仕上がり。将来の不安、新しい一歩へ踏み出す勇気のなさというのは誰にもあると思う。その不安を乗りこえ、新しい一歩を踏み出すことは素晴らしい。登場する女性陣の頑張る姿は美しい。自分も頑張れるという元気のお裾分けをいただいた物語だった。2022/10/27
クキモン
20
初読みの作家さんですが、良い作品でした。4人の自立した女性が自分の個性を大事にしながら自分なりの道を前向きに歩む姿に元気づけられます。姉妹編の「敬語で旅する4人の男」も是非読んでみたいと思います。2023/12/24
こばゆみ
15
個人的には「敬語で旅する四人の男」の方が好み。たぶんそれは「四人の男」に薄いながらも関係性があったからだと思う。今回の「四人の女」はそれぞれが独立した短編で、前作でも強い印象を残した斉木がすべての話に関わるという点での連作短編集。でも純粋に女性が活躍するお話は読んでいて楽しいし、嬉しい(^^) 麻宮作品、チェックしてみよう〜2022/10/18
のじ
12
「敬語で旅する・・・」と対をなす?作品。そちらに出てくる斎木くんこちらにも不思議な感じで出てきて、あの話の裏にはこんなエピソードが、なんてことも思います。連作短編集的な感じで、4人の何かの葛藤をかかえた女の人が主人公です。どの話も大変そうだけれど、いろんな形で乗り越えて、そこに齋木君がふしぎな感じでかかわるので、ちょっと笑えたりで、読後感はどれもほのかにあかるく、いい感じです。読んでいて気持ちの良いお話。おすすめですが、先に「敬語で旅する四人の男」を読むのをおすすめします。2022/12/02
NAOAMI
10
四人の女性視点でありなから、「活躍」するのは斎木という一風変わった男性。アスペルガー症候群かなと思わせる、字義通りの型に嵌まった言動しか取れないタイプ。でも彼の杓子定規を理解すれば、各章の女性のように上手く操縦することも。彼女たちが雁字搦めに縛られにっちもさっちもいかない時に、どストレートな言葉で進むべき道を示唆する。非常識な言動にヒヤヒヤさせられるも、ある種の痛快な解決や背中押しになっているのが面白い。さすがに初対面の女社長に「夫殺し」とゴシップ週刊誌のネタをぶつけるのはやりすぎだ。障害を際立たせ過ぎ。2024/07/31