内容説明
江戸城門番から御膳奉行支配同心となった伊吹求馬は毎日、毒味の修行に明け暮れる。そこに、かつての上役の窮地が伝えられた。仲間を救おうとする求馬だが、一方で毒味役の最終試問に挑戦する日が近づく。はたして念願の御膳奉行になれるのか。そして、矢背志乃への片思いは成就するのか―。将軍の毒味役鬼役の矢背家、初代の物語、ついに山場を迎えたシリーズ第三弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年、新潟県生まれ。11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。花鳥風月を醸し出す筆致の時代小説を描く。その作品の質の高さには定評があり、「鬼役」シリーズは驚異の7カ月連続刊行で話題となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
144
やっと、やっとの矢背家・初代の肩書を背負う求馬に幸あれ!ちょっと次が楽しみな第三弾だった。はぁ、風見新十郎・・怪しかったものね。やっぱり蔵人介の鬼役シリーズのヒリヒリ感が好みだなぁ(←わがままで申し訳ない)2022/11/14
KAZOO
88
鬼役先祖の物語の3作目では、前作で亡くなった毒薬の師匠の後を継ぐべく修行に明けくれます。その間にも事件がありますが、八瀬出身の志乃の姉の娘なども現れたりします。鬼役も主人公が若いせいか、志乃に対する思慕が現われすぎる気がします。志乃への競合相手が意外な人物であったことがわかります。この巻の表題通り最後には志乃の婿となります。2024/09/18
やま
70
将軍の毒味役「鬼役」の矢背家初代の物語です。鹿島新當流の遣い手で膳奉行支配同心の伊吹求馬は、三月前までは千代田城の中之門を守る持筒組の同心であったが。剣の腕を見込まれて老中秋元但馬守喬知の推挙により、二百俵取りの旗本、膳奉行・矢背家の志乃の婿候補となる。婿候補には、他に風見新十郎がいて競わされている。膳奉行は、鬼役といわれ秋元但馬守から密命が下される。→2023/01/09
とし
69
鬼役伝「入婿」3巻。矢背家に婿入りした伊吹求馬、次巻はもう少しハラハラドキドキさせてくれるのか楽しみです。2023/01/29
ぶんぶん
27
【図書館】シリーズ三巻目、鬼役・矢背家初代・伊吹求馬の修行と鬼役としての心得を描く。 もともと、「鬼役」のスピンアウトで始まったのだが、どうも時代的に齟齬があった。 少しづつ軌道修正をしつつ、立て直しをするといった感じ。 志乃の得意技の「薙刀」が出て来ないのは何故だろう。 これから開眼する機会があるのか、その辺も見物である。 本家・鬼役シリーズと別物で楽しみたい。2022/10/31