内容説明
嫁ぐ日を間近に控えて失踪し、無惨な死体となって発見された二人の若い女性。会社勤めの真佐子は阿蘇山の噴火口に身を投げ、看護師の鶴子は金沢の内灘海岸で銃弾を受けて死んでいた。幸福の頂点にあった二人を襲った悲劇の裏には一体何が?そして多摩の山中で三人目の犠牲者が!幾重にも錯綜する謎を解き明かし、難攻不落のアリバイに挑む鬼貫警部と丹那刑事!!
著者等紹介
鮎川哲也[アユカワテツヤ]
1919年東京生まれ。南満洲鉄道勤務の父に伴い少年時代を大連で過ごす。’43年「婦人画報」の朗読文学募集に佐々木淳子の筆名で書いた掌編「ポロさん」が入選。’49年「宝石」百万円懸賞コンクールに本名(中川透)で応募した『ペトロフ事件』が一等入選。’56年には講談社の「書下し長篇探偵小説全集」の13巻募集に『黒いトランク』が入選。以後、本格物の長短編を数多く発表。’60年に、『憎悪の化石』と『黒い白鳥』で日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞。2002年9月24日死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぬぬよよ
9
綿密なアリバイトリック。鬼貫警部の出番少なめでした。ザ昭和な会話や描写で、現代では違和感あるだろうなあと思いながら読み進めました2023/07/14
コチ吉
9
原型となった中編も収められているので、どう構想を膨らませて長編にしたのかが分かり、興味深い。鮎川氏のアリバイものとして十分に読み応えがあった。ただ、射殺事件において犯行が行われたと目される時刻と、実際に行われた時刻に2時間以上の開きがあるのは不自然な筈だ。2022/09/15
岩田貴雄
0
電報の時代である。初期捜査が、杜撰じゃねえと思いつつ、時刻表トリックが解かれていく。ちょっと凶器の謎は、気が付くのが難しい。中編だと美知子さん大活躍。2023/07/03