出版社内容情報
小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか――。第60回群像新人文学賞優秀作にして、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。
内容説明
小学生の頃、想いを寄せていた同級生が亡くなった。迎梅は死への思いに囚われながら、レズビアンである疎外感に苛まれて生きていた。高校時代の淡い恋、そして癒えない傷。日本に渡り、名を変え、異なる言語を使う彼女を苦しめ続けるものとは何なのか―。第60回群像新人文学賞優秀作にて、芥川龍之介賞受賞作家・李琴峰のデビュー作。
著者等紹介
李琴峰[リコトミ]
1989年台湾生まれ。2013年に来日し、’17年に『独り舞』で第60回群像新人文学賞優秀作を受賞し、デビュー。’19に『五つ数えれば三日月が』で第161回芥川龍之介賞、第41回野間文芸新人賞候補となる。’21年に『ポラリスが降り注ぐ夜』で第71回芸術選奨新人賞を受賞。同年、『彼岸花が咲く島』で第34回三島由紀夫賞候補、第165回芥川龍之介賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆきらぱ
34
台湾、日本、オーストラリアが新鮮に描かれていた。 挟み込まれた漢文も、そして頁の脇の注釈ですら異国ムードあって良かった。 「彼女」はこれから強くなるのだろうか? ラストも美しい。 ただ同僚の絵梨香の描写が、この前読んだ「おいしいごはんが食べられますように」の芦川同様、弱そうでいて強い類型的な女の子に描かれていて(またか)と思った。この強い、というのはちゃんと男を捕まえるという事。そしてこの強さは愚鈍さからくる、という仄めかし。これがたまらなくイヤミ。そんな風に人間の一面を切り取るので話の厚みが減る。2022/08/24
tomoka
6
映画『アデル、ブルーは熱い色』を思い出した。2022/08/14
こけこ
4
漢詩の引用がアクセントになって、いいと思った。主人公はどんどん孤独になっていくが、最後のどんでん返しにびっくり。舞台の上の舞は、ほんとうに一人だけだったのだろうか???2024/10/24
aieeeeee6
2
引き込まれて一気に読んだ。すごい。 人の痛みに寄り添う小説だった。2024/08/16
Decoy
2
素晴らしい。救いのない、暗い話になっていくのかと思いきや、中国の古典も引用した(この作家にしかできない個性で、極めて効果的)、流麗な文体(日本語ネイティブでない作家の文章とは、信じ難い)で、悲惨と言っていいほど辛い話なのに、スルスルと読ませる。「衝撃のデビュー作」の惹句に偽りなし。他の作品も、読みたい。2022/10/02