出版社内容情報
高級料亭旅館〈銀の鰊亭〉。一年前の火事で当主夫妻は焼死。娘の文は怪我を負い、記憶を失った。小路幸也が贈る青春ミステリー。
内容説明
百年の歴史を持つ邸宅が火事になり、主とその妻が亡くなった。遺されたのは火災のため記憶喪失になった二十七歳の娘・青河文と、由緒ある料亭旅館“銀の鰊亭”。甥の光は、妹を心配する母の頼みで美しき叔母と同居し、営業を再開した店で文とともに客への“御挨拶”をすることになった。すると、火事に疑問を持つ刑事が光の前に現れた―。著者初の光文社文庫作品。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
北海道生まれ。広告制作会社を経て、執筆活動に入る。2003年『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
75
★★☆☆☆23053【<銀の鰊亭>の御挨拶 (小路幸也さん)】鰊。魚辺に柬と書く〜と。魚辺の漢字は沢山ありますけど寿司屋の湯呑み茶碗でも見ないかぎり一生、目にしない漢字もありそうです。木辺も多いでしょうか?次の漢字など、いくつかはパッと読めませんよ〜椚、檪、橡、櫟、栩、椪、椢、椡。脱線話はここまで!鰊亭の女将は火事が原因で過去の記憶を失っており、女将の親戚である主人公の男子大学生が彼女の補助として鰊亭のアルバイトを始めます。彼は『あの火事には謎があった』と知り...と流れていきます。話まで燻ってるよ〜。2023/07/31
カブ
38
古い料理旅館が火事になり、4人の犠牲者が出た。残された27歳の娘、青河文。犠牲者のうち2人の身元がわからないまま漏電による出火として処理されるが真相は?!作者、タイトルや表紙の感じからはミステリとは思わず手に取ったが予想外の展開で面白かった。2024/07/04
ピース
32
小路幸也さんにしてはドロドロとした話だった。ある警察ドラマで真実を明らかにすることが人を不幸にすることがあるというのがあったが、これは正にそれ。文さんの記憶も戻らない方が幸せなのかも?そんなことを考えてしまうことこそがツラいんだけど。2023/01/18
ちゃんちゃん
24
大学入学を機に、母のすすめで火災で記憶を無くした伯母と由緒ある鰊亭で同居することにした光。謎が残る火災に疑問を持つ刑事、磯崎と共に真実を追う。続編既読なので、なるほどーという感じ。鰊亭は実在してるのかが気になります。2022/09/21
あおけん
23
続編である「磯貝探偵事務所からの御挨拶」を読み始めて文さんとか名前は何となく覚えてましたが内容をほとんど覚えて無かったので再読の為、手に取りました。小路幸也さんの作品にしては珍しく死者は出るはハッピーエンドでもないストーリーと異色作に感じられます。が、登場人物は穏やかだけど切れ者って所は同じで魅力的ですね。モヤモヤ感は残りましたが次作はスッキリした感じなのか読むのが楽しみです。2023/05/15