内容説明
大内、尼子の二大勢力に翻弄される弱小国人・毛利家の次男に生まれた元就。兄を亡くし、図らずも大将となった元就は、いつ敵方に寝返るとも知れぬ家臣たちをまとめ、乱世を生き抜くために必死で足掻く。自らも九死に一生を得て己の天命を悟った男は、幾度も哀しみから立ち上がり、武略に長けた逞しい武将となっていく。毛利元就の戦いの生涯を描く傑作歴史小説。
著者等紹介
岩井三四二[イワイミヨジ]
1958年岐阜県生まれ。一橋大学卒業後、会社勤務を経て、’96年『一所懸命』でデビュー。同作で第64回小説現代新人賞受賞。’98年『簒奪者』(『兵は詭道なり 斎藤道三』と改題)で第5回歴史群像大賞、2003年『月ノ浦惣庄公事置書』で第10回松本清張賞、’04年『村を助くは誰ぞ』で第28回歴史文学賞、’08年『清佑、ただいま在庄』で第14回中山義秀文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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木賊
12
合戦を中心に毛利元就の生涯を描く。大内氏と尼子氏の間で生き延びるための戦いが、戦の才能を自覚するに連れて野心のための戦いになっていく。この変化が非常に良かった。長編だが常に引き込んでくれるこの作者様の筆力はやはり凄い。2023/01/24
熱東風(あちこち)
4
面白かった。/毛利元就は好きな戦国大名の一人で、昔、大河ドラマも楽しんで見ていた。/最終的には中国地方を制する大大名にのし上がるのだが、やはりまだ安芸の一国人として大内・尼子の両大名の顔色を窺って汲々としていた頃が面白い。/各章毎に本文中へ地図を掲載してくれるのはありがたい(贅沢を言えばもっと詳細なのが良かったけど)。/登場人物に関してはできる限り人数を抑えたという感じだが、それでも巻頭に人物紹介が欲しかったところ。/約570頁。中だるみもなく、読み応えはあった。2022/07/30
ぐんまくん。
1
初めて読む作家。毛利元就については三本の矢くらいしか知識がなかったが、知略・奇略をもって、時に冷酷な判断をもって一代で大国を築いていく姿は圧巻。一方で、弱い面も見せてくれることで、より魅力的な人物に感じることができる。それにしても、こんな凄い父親を持った隆元の苦悩もわかる気がする。2023/12/03
MasterGuren
1
毛利元就の生涯を描いた作品。 国人領主から日本有数の戦国大名に成り上がるまでの話が主軸だが、もう一つの視点として偉大な父親を持った跡取り息子・隆元の苦悩も描かれる。天才的で非情な手段も取れる元就より、人間臭い隆元の方に感情移入して読んだ。2023/11/05
あきのぶ
1
毛利元就の生涯2022/07/05