内容説明
船田信和は「安全・清潔都市事業モデル地図」に指定され活気のある姫田市で自分の能力を発揮し、人生をやり直そうとしていたが、求職アプリに紹介された廃屋の解体現場で、バラバラにされた人体を発見してしまう。警察の聴取を終え、金のかからない空き家に住みつくが―。近未来を舞台に、人々の成功と生きることへの執着をAI監視社会を通して描く意欲作登場!
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
北海道生まれ。1995年『大日本帝国欧州電撃作戦』(共著)で作家デビュー。日本SF作家クラブ第19代(2018‐2020)会長。“星系出雲の兵站”全9巻(ハヤカワ文庫JA)で第41回日本SF大賞、第52回星雲賞日本長編部門(小説)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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清角克由
1
舞台は来年というかなりの近未来SF。ミステリー小説と読んだ方が良いドロドロの人間関係があって宮部みゆきさんや東野圭吾さんを彷彿とさせる刑事物。それでもSFとしての道具立てがしっかり物語の中心で、SFだなと感動。著者の他の作品にない感触。2023/11/26
外道皇帝
1
AIによる監視体制で安全を謳う実験都市でバラバラ殺人事件が起きる。どんなシステムでも運用する人間次第なんだよなあ。面白った。2023/02/17
読書嫌いウィーズリー
0
他人の皮を被ってやりたい放題やって、まんまと逃げ仰せている。これこそ自由だと思った。それに対して船田の愚かさ故のあの結末も、自業自得感があって気持ち良かった。2024/07/03
ちなシケ
0
⭐️⭐️⭐️2022/07/29
ざわ
0
現代SF警察小説。今の技術でも監視カメラとAI技術を組み合わせるだけでもものすごい仕組みが出来ると思わせるし、近い未来には導入されているのではないかと思うほどリアリティがあるストーリーだった。 でも技術が進み機械化がどれだけ進んでも、人がいる限り意思決定というのは自動化出来ない大切なものなのかなぁと思った。2022/07/09