出版社内容情報
廓の安寧を守るはずの面番所の新任同心が、吉原に触手を伸ばす。その裏には、北町奉行所の上役の絡む大きな陰謀が隠されていて――。
内容説明
汀女の手習い塾に通う遊女に、偽の文を使って客から金子を詐取した疑いがかかる。汀女の観察眼は、ひとりの哀れな新造を探り当てるのだが…。一方、吉原面番所に新しく着任した同心・山崎蔵人が、突如四郎兵衛会所の閉鎖を命じ、吉原は窮地に陥る。裏同心の幹次郎らは、山崎同心のどす黒い過去と暗い欲望、幕閣のある人物とのつながりを知り、成敗へと向かう!
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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jima
11
四郎兵衛会所の閉鎖が命じられる。2023/01/29
Happy
4
知人から「吉原裏同心」シリーズが回ってきたので読み直している。と言うか図書館で殆ど見つからなかったから初めてかな。清搔ってどんな音色なのでしょう。吉原が無くなって60年余り。その音色を知っている人ももういないのかも。八重垣は「あきない世伝金と銀」で言う所の歌扇かな。不器量が幸いして芸の道に励み、心優しい人に身請けされて良かった。この間読んだ「落花狼藉」の吉原黎明期も無理難題を押し付けられてたけど、今回もとんでもない人事異動で引っ掻き回されてる。2022/11/18
RN
3
サブタイトルは「すががき」と読む。 田沼意次から松平定信に権力が移るなかで、政治の道具にされる吉原にやってきた同心との対決が描かれる。 かつての国許である豊後岡藩の内部抗争も激化し、さらに面白さが加速していく。 次号楽しみ。2023/02/09
へたれのけい
1
再読なのか、はたまた初めてか。それさえ分からなくなってきたぞ。う~ん2025/05/02
りゅうのすけ
1
いつの時代も人間の権力に関する欲望はどうしょうもないのかも…。官憲に立ち向かう吉原の会所のメンバーの頑張りが良かったです。幹次郎と汀女の仲睦まじい場面も好きですね。狭い範囲でのお話ですが飽きません。2025/04/22