内容説明
安永五年、豊後岡藩の馬廻り役・神守幹次郎は、意に沿わぬ婚姻に苦しむ納戸頭の妻・汀女と出奔した。幼馴染のふたりは妻仇討の追っ手を逃れ、当てのない流浪の旅に出る。やがて江戸に出た幹次郎たちは、幕府が唯一許しを与えた遊廓、吉原にて、ふたりの追っ手に加わっていた汀女の弟・信一郎の危難に出くわすのだが―。幹次郎と汀女、ふたりの伝説がここに始まる。
著者等紹介
佐伯泰英[サエキヤスヒデ]
1942年北九州市生まれ。闘牛カメラマンとして海外で活躍後、主にノンフィクション作品を発表する。’99年初の時代小説「密命」シリーズを手始めに、次々と時代小説を発表。文庫書下ろし作品のみで累計6500万部突破の快挙を成し遂げる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
72
吉原裏同心 決定版「流離」1巻。10年振り決定版での再読です。面白いですね一気読みでした。2022/11/05
アイシャ
30
最初に発表されたのはいつだったのだろう。少々乱暴な内容だ。昔の時代劇はこんな感じだったのかな。借金のかたに金貸しの男と結婚した汀女を、幼馴染の幹次郎が連れて逃げる。追手がかかる。残された家族の不幸はどうなるのか?闘いのシーンが残酷すぎるし、逃げ回った挙句に吉原の裏同心、言葉を換えれば殺し屋になる幹次郎。汀女は女郎たちに詩作を教えながらスパイみたいなことをする。何かこの二人に心が欠けた感じがする。姉の出奔のせいで死に追いやられた弟もかわいそうだし。ドラマがヒットしたのですね。2025/04/21
jima
10
図書館。再読。豊後岡藩の神守幹次郎と汀女が江戸へ逃走。吉原で活躍。2023/01/15
たけはる
10
なんというか水戸黄門的な、一閃の下に主人公が敵を成敗する、という流れがはっきりしている話だなあと感じました。読んでいて安心感はあります。2022/10/02
Yoko Kakutani 角谷洋子/K
4
剣戟のシーンとか迫力ありますね。女を吉原が守っている、云々の表現に隆慶一郎の影響を感じたり。 主役二人が駆け落ちていく流転の日々に情感がありましたね。2023/05/01