出版社内容情報
各地に残る土俗的な土壁や土蔵、左官仕事の現場、漆喰窯の跡などを訪ね、そこで用いられた技術や素材の魅力を絵と文でつづる。今はなき名物業界誌『左官教室』に連載されたシリーズをまとめた1冊。
小林澄夫[コバヤシスミオ]
著・文・その他
村尾かずこ[ムラオカズコ]
イラスト
内容説明
各地に残る土俗的な土壁や土蔵、左官仕事の現場、石灰焼きの窯の跡などを訪ね、そこで用いられた技術や素材の魅力を絵と文でつづる。左官仕事、その周辺、土壁の文化を広く語って注目され続けたいまはなき業界誌『左官教室』に連載のシリーズをまとめた1冊。
目次
1 山のもの―山、川、谷(津久見の三和―大分;三河の三州たたき―愛知 ほか)
2 野のもの―田、畑、里山(讃岐の砂糖しめ小屋―香川;遠州掛川の葛壁―静岡 ほか)
3 海のもの―浜、渚、磯(周防の松葉焼貝灰―山口;柳河の貝灰泥煉瓦―福岡 ほか)
4 海外編(アジャンター石窟の壁画―インド;チベットの敲きと白壁、赤壁―チベット ほか)
著者等紹介
小林澄夫[コバヤシスミオ]
1943年静岡県浜松市出身。1968年から2007年まで月刊『左官教室』(黒潮社)を編集。2008年から2009年まで月刊『さかん』編集長
村尾かずこ[ムラオカズコ]
造形作家、二級左官技能士。1965年東京生まれ。武蔵野美術短大美術科卒。同専攻科にてフレスコ画を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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助作
2
佐官仕事で作られてきた日本の風景を集めた本。知らぬことが多すぎる。讃岐の砂糖しめ小屋なんか全然日本ぽくないのに風景に溶け込んでいそうで摩訶不思議。海外のもちょっと紹介されてて興味をそそられる。すっかり見れなくなったものも多そうで一つでも二つでも実物見てゆきたいなぁ。2024/09/30
Olga
1
月刊誌「左官教室」の連載をまとめたもの。絵と手書き文字がいい。絵を担当した村尾かずこさんは、連載を通してすっかり魅せられ、実際に左官仕事を学び、左官材料を使ったアート作品も発表しているらしい。塗り壁の技術や素材はその土地の自然環境や風土、人々の生活が関係しているというのが面白い。欧州産のマスカット・オブ・アレクサンドリアが気候の違う日本で栽培できたのは、吉備の泥の葡萄温室のおかげというのが興味深かった。2020/05/04
林克也
1
絵がいい。手書き文字がいい。人に優しい書物、いい本だった。左官仕事だけではなく、こういう、地域の生活に根差したいろいろな技は、残念だが今後次々と消えていく。それはそれで割り切って受け止めなければならないとは思うが、一抹の寂しさは、ある。2018/12/15
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