出版社内容情報
ハローワーク吾妻に新卒採用された間宮璃子はハロワの仕事を勉強中。「働くこと」の意味を問う傑作長編。
内容説明
ハローワーク吾妻に新卒採用された間宮璃子は絶賛研修中。そんな彼女の元に、それぞれの事情を抱えた求職者がやってくる。借金返済のため住み込みの家政婦の仕事を探している女性、定年退職した父を働かせたいという娘、重い病気のために大手の内定を取り消された女の子…。求職者のために奮闘するリコの成長を通して“働くこと”の意味を問う傑作長編!!
著者等紹介
上野歩[ウエノアユム]
1962年、東京生まれ。専修大学文学部卒。’94年、『恋人といっしょになるでしょう』で第7回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
77
2022年1月最後は上野歩さんのお仕事小説になりました。ハロワことハローワークに働く新人・間宮凛子、通称マンマミーアが大活躍するコメディです。新宿/大久保の職安通りといえば治安が良くないイメージでしたが今は子育て中の方向け専用や新卒向けシニア向けなどバラエティにも富んでるんですね。浅草吾妻橋を舞台にした下町風情もなかなか。タワマンの頑固親父にもホロリと。気分の良い読書になりました。2022/01/31
あっ!chan
30
ハローワークにはまだ行ったことはない。だから単なる就職斡旋だけでなく、色んな条件での支援をしてくれる事も初めて知った。ましてや「聞く力」をもって職務を超えて関わってくれるならそんな時が来たら是非相談してみたい。「天職は見つけるものではなくて、自分でその仕事を天職にすること…」なるほどと思う。でもやらされてる感があったり、不本意な気持ちがある限りその境地になるのはなかなか難しい。いろんなケースから生きる時間の大部分を占める「働く事」の意味を考えちゃう結構リアルなお仕事小説。2023/01/18
NAOAMI
17
お仕事小説の舞台がハローワーク。仕事とは、働くこととはを問いかけてくる。様々な部門に仮配されながら研修中の間宮璃子マンマミーアちゃんが職域をはみ出しながら奮闘。求職側の高望みや本音、求人側の事情に纏わる話、悪質な求人の実態に潜入してのGメン的な動きも楽しめる。さすがにこれは行き過ぎ例だが、ホントにここまで親身になってくれて、求人や出会いがあるのなら、ハローワークに行ってみたい気になる。現実はそうもいかないだろうけど。CA→末期がん→病院付きの栄養士へ。そして緩和ケアへ。松雪さんのエピソードにはグッときた。2022/11/03
ぽけっとももんが
16
若い頃、寿退社したのでハローワークに行きました。職安だったかもしれない。そこで職業訓練校を紹介されて半年通いました。結局その後子育てだけをしてきたのだけれども一念発起19年のブランクののち働き始め、そこで職業訓練で習ったあれこれが役に立ちました。マウスのない時代のLotusとか今はなき初級シスアドとか。初エクセルでも概念を知ってたからさほど困らなかった。その足を向けて寝られないハローワークに就職、研修中の璃子嬢。職務からはみ出しすぎだよとも思うけど、恩があるのでいいことにします。でもキレエという表記は嫌。2022/03/08
Mayrin
14
ハローワークには行ったことはありませんが、あまりいい印象はありませんでした。こんな職員さんばかりなら、安心して行けますね。2022/03/06