出版社内容情報
兄とその愛人を、痴情のもつれを装って殺した沢渡留理は、子供のように捜査に没頭する長身の女刑事・花房京子と出会った――。
内容説明
沢渡留理は亡き父親から引き継いだ会社を守るため、痴情のもつれを装って兄とその愛人を殺した。偽装工作は完璧だったはずだが、その後、現場に強盗が入ったらしい。警察は二人が強盗に殺されたと考えているようだが、ただ一人、長身の女刑事・花房京子だけは、私を疑っている…?「刑事コロンボ」に連なる倒叙ミステリーの新たな傑作誕生!!
著者等紹介
香納諒一[カノウリョウイチ]
1963年神奈川県生まれ。’91年、「ハミングで二番まで」で第13回小説推理新人賞を受賞しデビュー。’99年、『幻の女』で第52回日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
えみ
68
驕ることは敗北だ。机上の殺人計画を完璧な計画だと過信してはいけない。事件は生き物、制御できない予期せぬ出来事が運命を左右するのだ。殺さなければ地獄、殺しても地獄、逃れることのできない地獄行きは、悲しいほどに人を狂わせる。これは疑われた時点でもう既に完全犯罪は破綻している気がする。犯罪者になってまで、必死で守りたかったモノとはなんなのか…。犯罪者の機微に触れる事が出来る犯人目線での事件捜査が描かれた一冊。完全犯罪の死角は何処だ?優秀な刑事の、粘り強い捜査が犯人を徐々に追い詰めていく。失敗のない殺人事件とは。2023/03/18
したっぱ店員
39
大好物の倒叙ものと聞いてすぐ購入した初著者さん。勝手に短編集と思い込んでたら長編だった。完全犯罪っていう割には犯人のツメがいろいろと甘いような気もするが、肝心の刑事のキャラがなかなか良くて面白く読んだ。ドラマになるなら刑事は栗山千明さんで。2023/10/31
ウィック&ぺディ
29
『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』のように冒頭で犯行を先に見せる倒叙形式のミステリ作品。タイトルの「完全犯罪」とうたう割にはあまりに杜撰で綻びが多すぎる点が気になったが、制約のある設定の中で、人間ドラマとしてとらえると多視点で物語がしっかり描かれている。また、長身の女刑事を探偵役に選んでいるのがキャラが立っていてシリーズ化していけば面白くなっていくのでは。数少ない倒叙ミステリだけに今後さらに期待したい。 ★★★★☆2022/05/14
たーさん
21
10年前ぐらいに「贄の夜会」を読んで以来の香納さん。女コロンボというべき花房刑事と高級家具会社の女社長の広報せんを描く倒叙ミステリ。先輩というべき福家警部補がいますが花房刑事ものっぽのバンビとあだ名がある変わり者の女刑事。刑事コロンボのオマージュか随所にコロンボを思わせる箇所があって面白い。殺害動機なんかも「別れのワイン」を思い出させる。難癖をつけるなら犯行計画がちょっと杜撰過ぎるかな?解決の決め手なんかもコロンボ的で綺麗に決まっていて、ドラマで見てみたいなと思いました。2022/12/06
み
21
う~ん、福家警部補もコロンボも楽しめるので、倒叙形式が苦手って訳ではないと思うのです(^^;淡々と読了…。2022/08/05
-
- 洋書
- Lámha Bán…