内容説明
帯広は間もなく定年を迎える刑事だ。彼の最近の趣味は、家の近所に見付けた喫茶店へ足を運ぶこと。そこで出会った人々との交流を楽しむ毎日を送っていたある日、雑木林で若い女性の変死体が発見された。帯広はその女性に見覚えがあり…。棟居刑事と共に捜査を進めるうち、別の女性の失踪事件やとある政治家の影が浮上する―。棟居刑事が活躍する傑作サスペンス!
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒。ホテルマンを経て、作家となる。’69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、’73年『腐蝕の構造』で第26回日本推理作家協会賞を受賞。2003年には日本ミステリー文学大賞、’11年には吉川英治文学賞を受賞した。ミステリーを中心に、歴史小説、ノンフィクションなど多岐にわたる分野で活躍。近年は創始した写真俳句も話題を呼んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yomineko@ヴィタリにゃん
72
棟居刑事シリーズ大好き!50%増しの退職金を返上してまでも事件に取り組む帯広刑事。高級コールガールが次々と犠牲になっていく。東京という砂漠に咲いた花またはオアシスの様な喫茶店に集う人々と共に難事件を解決。棟居刑事シリーズは他にも沢山あり、読むのが楽しみです😊2024/05/24
ひつじパパ
4
帯広、稲葉、弘中、菊川とそれぞれが人生の債務を背負っている。債務は時として強迫観念や贖罪として感じられるかもしれない。てっきり、そうしたものは帯広が門井純子の事件を解決したから返済されたと思った。でも違った。作者が「債務を背負い続けることが、返そうとするせめてもの姿勢である」と述べているように、私たちも諦めではなく、その債務返済の為に、夢を果たせず死んでいった人間の分までもずっと生ききる姿勢が大切なのだなと思った。そういえば、私の人生の債務ってなんだろう⁈2021/12/08
wankousan
2
20年以上も前の作品だがやっぱり森村誠一さんの小説は面白い。文章も読みやすくて良い。年齢的に新作は出ないのが残念で仕方ない。2023/03/04
あーさー
2
定年間近のベテラン刑事が、2時間ドラマでおなじみの棟居刑事や牛尾刑事らとともに難事件の解決を目指します。喫茶店という「いろんな背景を持った人が集う場所」をキーポイントに、少しずつパズルのピースが集まっていく感じが良かったです。2021/09/22
清掃員·D
1
久しぶりに森村さんを読んだが、変わらず読みやすかった。 安心して読める。2022/11/08